演 目
仮装敵国
観劇日時/05.6.10
劇団名/AGAPE store
公演回数/#10
作/後記の7人
演出/G2
美術/加藤ちか
照明/倉本泰史
音楽/佐藤史朗
音響/内藤勝博
スタイリスト/遠藤百合子
演出助手/山田美紀
舞台監督/榎太郎
制作/尾崎裕子・伊東妙子・藤野和美
プロデュサー/大西規世子
劇場/池袋・サンシャイン劇場


乾いたブラックユーモア

 「仮装」は「仮想」の間違いではない。そこにこの作者たちのウイットがあるのだ。
倉持裕(ペンギンプルペイルパイルズ)・ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ナイロン100℃)・後藤ひろひと(王立劇場)・故林広志(フリー)・千葉雅子(猫のホテル)・土田英生(MONO)・長塚圭史(阿佐ヶ谷スパイダース)の7人の時めく作家の短編戯曲を、今、旬の演出家・G2が2時間にまとめたオムニバス。
といっても単に7本を並べただけではない。あらかじめ『仮装敵国』というタイトルを基にそれぞれが書いたかのように、あるいはそうであったのかもしれないが、ともかくそれぞれが独立した話でありながら何となくブラックユーモァのテイストで統一されたひとつの作品のように感じられる。
ダンスや歌を多用し、といってももちろんミュージカルではなく、それらは繋ぎの部分で使われて舞台装置の転換に巧く利用されているのだが、まったく違和感がなくすっかり溶け込んでいる。
タイトルからも想像されるように、これはかなり社会的な要素が強いのだが、それが力の抜けた演出・演技で深い感動を与えるというものではないが、一緒にばかばかしく笑って楽しんでいるうちに何かアレッ? と思わされるような仕掛けである。
逆にいえば、それだけで終わってしまうような衝撃の弱さが心残りであるが、中々両方というのも難しいのかもしれない。