演 目
タンバリンマン
観劇日時/05.5.12
劇団名/劇団イナダ組
作・演出/イナダ
照明/高橋正和
音響/奥山奈々
舞台美術/野村たけし
舞台監督/坂本由希子
劇場/ポルトホール

表層的な社会派

 苛めにあって自殺した中学生を巡る、親と教師たち、そしてマスコミたちの群像を描く社会派的真面目芝居。
イナダ組はこれまでにも、疎外された人々の心情を描いたり、婚期にあせる女性たちの姿をシリアスに喜劇的に描いたり、また下町の人情と追い詰められた学生運動の若者たちとの交流を描いたりしているのだ。
ただ、今回の舞台は問題の扱い方が皮相的であり、親も教師もマスコミも通り一遍のごく常識的な話題の推移でしかなく、問題を深く追求しているわけではない。
演劇としては物足りないが、若い客層に絶対的な人気のあるこの集団が問題提起をして、若い人たちへの意識啓蒙の役割を果たしたのであろうか。