みらいSHOW学校
観劇日時/18.3.25 14:00~16:25(途中10分間の休憩) 公演団体/深川市舞台芸術交流協会 脚本・演出/岩崎正裕  校歌作詞/渡辺貞之  校歌作曲/長生淳 舞台監督/宮田哲自  舞台/盛本和志  テクニカル・ディレクター/助安正樹 音響・映像/助安正樹  照明/池田憲昭  譜めくり/保坂友理 制作/西坂和子  プロデューサー/三ツ井育子 劇場名/深川市文化交流施設 み・らい 出演/ピアノ(校長)=中川賢一  打楽器(教頭)宮本妥子 ダンス=千庭弘晶  担任=宮田千晶  校歌指導=菅原瑞枝 生徒=菊地琥太・小林一花・里実和子・谷本結愛・玉井大智・西坂澪央・ 西坂凛央・丸岡絢・宮島佳那 みらいダンスチーム=キッズ&ジュニア  みらいダンスチーム=大人 ふかがわデイプレイスふれあいの家  拓大ダンスチーム (スタッフ・キャストの紹介が雑然としているので整理して表記しました)

ユニークなアイデァが表現できなかった期待外れの舞台

 プロのピアニストを校長に、同じく打楽器奏者の教頭、同じくダンサーを担当教諭、そして本物の中学校の先生を担任教師に配役して、小学校のクラス9人の一日を描くというアイデァはとてもユニークで期待の大きい舞台が想像された。
 でも実際の舞台は全く魅力がなかった。その原因の第一は9人の子供たちが形通り
に動くだけで声も小さく、全く生きていない、溌剌とした小学生の日常にはとても見えない。
 もう一つは、この校長・教頭との交流が、子供たちの描いた図画の画面をスクーリンに拡大して見せて、それと合わせて演奏するだけなのだが、ただそれだけの画面を通した行き帰りだけというアイデァ倒れに終わってしまった。
 さすがに千庭弘晶のダンスは世界各地の民族舞踏をエネルギッシュに演じて、ここだけは魅せたのだが。
 「ふれあいの家」「み・らいダンスチーム〝大人〟〝キッズ〟」「拓大ダンスチーム」の4つのダンスも、それぞれ小奇麗にきちんと踊ってはいたが、ほとんどインパクトは無い。
 後半で千庭弘晶の指導により観客も一緒に座ったままで手振り足踏みだけのダンスと菅原瑞枝先生指揮の校歌練習を行う。僕は全く参加しない。何故かと言うと、僕は舞台作品はそれ独自が独立した存在として客観的に受け止めるべき対象だと思うからだ。アートホールで開催中の「にせゴッホ展」はどうなのか? という疑問があるかもしれないが、これも僕はあくまでも鑑賞者であり、これに参加している画家の皆さんは作者だと思うのだ。
 それと、もう一つ、僕は一種一級の身体障碍者なので体を動かすのが苦痛なのだ。その方が説得力がありそうだが……
 さて今日のこの舞台は、折角の面白いアイデァが生かし切れなかった、形を造っただけの、まだるっこい舞台であったのだ。