Not Decided -時計を求めて-
 観劇日時/18.1.13 15:00~16:00  上演演団体/のと☆えれき二人芝居  上演形態/シアターZOO提携  作/二朗松田(カヨコの大発明)  演出/能登英輔・小林エレキ  演出補/遠藤雷太  舞台監督/高橋詳幸  照明/相馬寛之  音響/橋本一生  宣伝美術/二朗松田  プロデユーサー/小室明子  劇場名/シアターZOO  出演/能登英輔・小林エレキ  声の出演/納谷真大・高橋虹朗

意識的に停めるのか、気が付いたら停まっていたのか?

 時間を止める」という設定の中には様々な奇想天外な思いが込められていると思われる。しかもそれをコミカルに演じるということに大きな期待を抱いた。しかもかのエレキである。
 札幌中心部のビルの屋上というのは何かを期待させるのだが、始まったのは中年男2人が大声で大慌ての大騒ぎだった。もっとこの2人の摩訶不思議な体験の実情が詳しく知りたかった。その不思議な行き違いが滲み出る悲哀が見たかった。単なる大騒ぎだけでは正直言って面白くない。
 人生のある時期、時間が停まったら人間はどう思うか、どういう行動するのだろうか? それも自発的に停めるのではなく気が付いたら停まっていたのだ。その時の男たちの反応が見たかった。
 この舞台は意識的に停めたり動かしたりする、その行動の面白さに重点が置かれている。テーマに期待した興味が舞台に表現されていないことに焦慮感が募った。
 空に浮かぶ切抜きの雲が3片ほど吊り下げられている。そこを飛行機が飛んだり停まったりする。マンガっぽくて興味深いのだが、吊り下げた糸が照明明りに反射してチカチカと見えるから、いかにも吊り下げていることがあからさまに分かってしまう。例えば後ろの壁から支えの棒で固定するとか、浮かんでいることをはっきりと表現しなかったのだろうか? その辺の中途半端さもとても気になった。