鰤がど~ん
観劇日時/17.12.24 18:00~19:50 作/畑澤聖悟  演出/納谷真大  プロデューサー/斎藤ちず 照明/高橋正和  音響/大江芳樹  衣装/アキヨ   舞台監督/高橋詳幸  舞台監督助手/米澤春花  小道具/藤谷真由美 宣伝美術/小島達子  宣伝写真/奥山奈々  制作/太田真介 主催/NPO法人コンカリーニョ 劇場名/ことに コンカリーニョ 出演/朽木部允・小森春乃・澤田未来・伊達昌俊・宮澤りえ蔵・宮田桃伽・    明逸人・(Wで柴田知佳・城田笑美)

高校演劇で宇宙史・地球史・人類史の中での人間の生き方を考える

 スコットランドには100年に一度現れる不思議な村の伝説があると言う。それが「ブリガドーン」である。つまり人間は常に過去の在り方と未来の存在とをイメージしながら生きているのだろう。
 この舞台はその「ブリガドーン村」の伝説を基本として2011年に起きた東北大震災で消えた東北地方の人たちの心境を思い起こすことによって、今を生きている私たちの生き方をもう一度考え直そうじゃないかとでもいう提案とも受け取れる。
 つまり人間はこの宇宙へ、地球へ、そして日本という制約された時代と地域の中で日々を送っているのだが、人類史・地球史の中で見直すと、その個人史は実にささやかな事かも知れない。もっと大きな幅広い眼で人間の生き方を考え直そうという提案とも受け取れる。
 高校演劇で創られた沢山の舞台作品が、次々と細切れで出てくるのだが、つまりそれはほとんどそういう宇宙史・地球史・人類史の中での人間の生き方を鋭く的確にしかもマンガチックに切り取って繋いだ大長編なのだ。
 だから全体の想いはとても強烈にわが心情を撃つのだが余りにも転移・変化が激しいので細部には付いて行けない焦慮が起こる。それは切り捨てても良いのかも知れないのだが僕には出来ない。ぜひその戯曲というか上演台本を読みたくなった 。
 これから長い時間を掛けて、その台本とにらめっこをしながら、この舞台の深層を手繰って行きたいと思う。大変だけれども楽しく期待して、その興味深い作業を進めたいのだ。