リチャード3世

観劇日時/17.11.25 14:00~45 劇団名/弦巻楽団 上演形態/演劇研究講座「(秋も)舞台に立つ」成果発表公演 作/ウィリアム・シェイクスピァ  訳/松岡和子  演出/弦巻啓太 舞台監督/秋野良太  照明/山本雄飛  宣伝美術/佐久間泉真 主催/一般社会法人劇団弦巻楽団・札幌劇場連絡会 共催/さっぽろアートステージ実行委員会 劇場名/新札幌 サンピアザ劇場 出演者/リチャード3世=相馬日奈     エドワード4世・他=岩波岳洋  クラレンス・他=三上翔平     アン・他=菅原里保       エリザベス・他=佐久間許都     ヨーク公爵夫人・他=田邊幸代  マーガレット=牧野桃花     皇太子エドワード・他=涼香   ヨーク王子・他=石川凛     男の子・他=鈴木真弥・伊藤優希 女の子・他=木内水晶     バッキンガム・他=吉井裕香   ヘイスティングス・他=柳田裕美     スタンリー・他=高橋友紀子   ケイツビー=島田彩華     ラトクリフ・他=木村愛香音          リヴァース・他=佐藤雄大    ドーセット・他=近藤和樹     グレイ・他=斎藤法華              リッチモンド・他=鈴山あおい        ブラッケンベリー・他=濱口夏采 ティレル・他=来馬修平     ロンドン市長・他=須貝昇太   公証人・他=寺尾彩花     暗殺者①・他=久慈優花     暗殺者②・他=石澤優美子     ヘンリー6世の亡霊・他=伊藤優希        ヘンリー6世の息子エドワードの亡霊=鈴木真弥・濱口夏采

古典的名作の抽象的表現

 古典的名作戯曲ともなると、それをどういう形式で表現しようとか、様々な試みが考慮されると思われる。今日の舞台は一昨日に観た「竹竹」の『マクベス』に偶然だろうが実に良く似たイメージだった。
 この『リチャード3世』も26人の男女がほとんど黒系統の現代的でカジュアルな衣服に王冠やアクセサリーなど玩具のようないでたちで、これもやはり玩具のような小道具の剣を使って、ほとんど集団で争いのシーンを演じる。
 物凄い早口の台詞の口調は、長セリフを丸暗記して喋っているように聞こえてほとんど内容は分からない。初めからそれを承知で演じているとも思われる。台詞の説得力を無視した点も、偶然だろうが先日の「竹竹」の『マクベス』に良く似ている。
 配役も男女の区別はなくリチャードもリッチモンドも女性だ。そのことにおそらく意味は無い。男とか女とかは関係ないだろう。人間の根本の在り様を象徴的に表現した舞台である。
 それにしては105分は長い。分かっているようなシーンを延々と続けられると睡魔が襲う、事実2・3度寝てしまったようだ。実はリアリズムの舞台を期待したのだが……僕は時代遅れの感覚だろうか?