名誉男性 鈴子  観劇日時/17.9.23 14:00~15:40  劇団名/第25次 笑いの内閣
 作・演出/高間響  舞台監督/稲荷  音響/島崎健史
 照明/真田貴吉   照明オペレーター/山本友佳
 舞台美術/栗山万葉 演出補佐/余ティムラ  ドラマトゥルク/神田真直  小道具/小原藍
 宣伝美術/脇田友  制作/渡邉裕史・新原伶・坪井梢  スチール/高橋克己  企画・製作・主催/笑いの内閣
 劇場名/シアターZOO
 出演/
  黄川田鈴子(鈴木鈴子)=中谷和子     (南アンタレス市議会議員・南アンタレス市長候補)   出倉恵梨香(南アンタレス市議会議員)=熊谷みずほ   万寺メルモ(恵梨香の後輩。ノックアウト大学大学院生)
                    =土肥希理子   谷枝 彰 (南アンタレス市 現市長)=松田裕一郎   須藤圭太=諸江翔大朗     (南アンタレス市議会議員4期目・黄川田選対委員長)   古戸賢太郎(黄川田後援会会長・古戸建設社長)=髭だるマン   森下春正 (鈴子の甥で秘書)=しゃくなげ謙治郎   香田陽菜 (夜羽巣高校2年B組担任)=延命聡子   麦部達男 (児童養護施設ランドホーム職員)=池川タカキヨ   鈴木千鶴 (鈴子の娘。ニート)=横山優花   日替わりゲスト(本日)=金子綾香   アフタートークゲスト(本日)=イトウワカナ

リアリティが弱く架空のバカ話に見える

平成の大合併で誕生した「南アンタレス市」初の女性市議会議員、黄川田鈴子は女性の社会進出の象徴として活躍していた実績をかわれ、引退する市長の後継指名を受け市長選へ出馬していた。 しかし鈴子は女性の社会進出の象徴といいながら、実際はきわめて男尊女卑的な言動を繰り返す、まさに「名誉男性」だった…… 以上が当日パンフの表紙裏にでっかく書いてあった梗概だ。確かに差別の矛盾を鋭く衝いたこの話は面白いし魅力的で大笑いをして観ていられる。 でも大きく気になったのは全体がオーバーアクションで実にリアリティが弱いのだ。まるでマンガだ。マンガならマンガで良いのだが、話がとても現実的なのに表現が誇大化され過ぎると、何だか架空のバカ話だと思いかねない。 全体をリアルに演じ、ポイント・ポイントで戯画化すれば、もっと訴求力が強くなるのではないかと思った。 現実の政治や一般社会の中でも、このような心情、それは女性が男性的な心情にコンプレックスを持って反応しているだけじゃなくて、もっと違った人間関係や逆に男性の女性に対するコンプレックスの反応もあるんじゃないのだろうか? そんなことを考えながらときどき冷静になって観ていた。