肉体改造クラブ ~女子高生版~  観劇日時/17.9.20 13:30~15:20  劇団名/北翔大学 北翔舞台芸術2年目試演会  上演回数/VOL.13  
 作/古城十忍  演出/竹中美佳  舞台監督/秋元弥生  照明/坂本菜々子  音響/久松祐真    装置美術/仁木わかな・秋元弥生  小道具/門脇美穂・石川也哉子  衣装・メイク/工藤花  制作/高見誠・竹中美佳・櫻井奈美  
 劇場名/北翔大学カレッジホールPAL6階

減量コンプレックス女子の交流と葛藤

7人の出演者しかも全員、女子が様々なシチュエーションを次々と入れ替わり立ち代り演じるから混乱する。 基本は友人や恋人、父母や兄弟たちとの心の忖度・葛藤と交流が延々と繰り広げられるわけだ。恐らく根源にはセリナの減量コンプレックスがあるようだ。 同じ一人の演技者が次々と別の役を演じたり、セリナはスリムになりつつある現在とコンプレクスの3年前とが、自分の中の二人の人物として口論するので分かりづらいが、思春期の女性の心情が、これでもかと深く強く表現しようとしているのは良く分かる。 出演者たちは皆、演技力があるから嘘っぽくないのだが、男性の演技者が全くいないからクラスメートの男の子も恋人も兄も父親もすべて女性が演じているのは何か意味があるおだろうか? たまたま男優が居なかっただけなのだろうか? 糸電話で内緒話をしたり、その糸電話が無数に出て交雑して混乱して全てが滅茶苦茶になるシーンは面白い。 物語の発想は、寺山修司『大山デブコの犯罪』に似ているかも知れない。

 出演者/
  石川也哉子(=昔のセリナ・なつき・香奈恵の父)
  仁木わかな(=ミツル・あや・若菜B)
  中村彩子(=父・竜彦)
  櫻井奈美(=母・さやか・麻里子A)
  櫻田香里(=先生・父・香奈恵)
  佐々木やすほ(=みるく・美咲)
  門脇美穂(セリナ・母・美咲の母)

以上の7人が3グループの人物を演じる。 この3グループと、それを代表する人物は次のように分類される。 セリナは「ダイエッター」であり、デブ・コンプレクスに苛まれ、その自己闘争に疲れる。 美咲は「ピアッシング」であり、ピアッシングとタトウという見かけの自己変革と、同じ思いを持つ友人との共通感覚を大事にしたい。 さやかは「ギャルゲー」であり、事実でないゲームキャラクターだと思う方が気が楽だと思う性格。