LONLY ACTOR PROJECT  主催/KIMAGURE PONYTAIL 寺地ユイ  観劇日時/17.9.9 19:00~21:05
 音響/倉内衿香・山田耕平  
 照明/山本雄飛・手島浩二郎・芋田桃子  映像/泉香奈子    宣伝美術/デザイン=八十嶋悠介・写真撮影=井上アキラ・
      ヘアメイク=川上桐羽
 劇場名/BLOCH

一人芝居の葛藤表現

何時も言っているのだが、一人芝居の表現方式を3つのパターンに分けて考える。今日の5作品中の4作品は、第三のパターンで、つまり一人で複数の人物を演じ分けて人間同士の葛藤を表現するわけで、これが唯一演劇的表現だと思い、その典型が落語であると考えている。 今日の舞台は激しい動きや転換やシーンの移り変わりを、一人の役者が演じる事でとてもテンポよく強烈に表現できたと思われる。意識的にオーバーで極端な姿を魅せるのだ。すべて日常の様々な抑圧された思いを明けっ広げにぶち撒く思いの力一杯のそれぞれの各20分であろう。 いずれもリアリティのない、あるいは現実感を出そうとしてもオーバーアクションになって、逆にそれが普通の「人vs人」の表現とは別の、登場人物の心の底の想いを象徴的に表現していて、それがロンリィー・アクター舞台の違った魅力なのかなとも思う。 その中で唯一、第一の方式で演じられたのは、『わたしというこ、或いは』である。

にせんねん女子高生

脚本/里見ユリヲ  演出/鎌塚慎平  出演/寺地ユイ

2000年の未来から両親の事情で現代にタイムスリップした女子高校生が未来に戻るという話だけど、観方を変えれば現代の高校生の生き方を別の面から考え直すということも出来るのかも知れない。

カンガンデストラクション

脚本/谷村卓朗  演出・出演/遠藤洋平

普段に思っていても言えない事を思いっきり爆発させる。終始、猛烈で下品な下ネタを使って本心を曝け出す

わたしというこ、或いは

脚本・演出/重堂元樹  出演/吉田諒希

人物の心的内面を自分の言葉で物語る方式で、これではドラマが起こらない。本人の心情を延々と述懐するだけの20分だが、舞台装置や小道具・衣装・化粧などママゴトのようにミニチュアみたいに豊富に使うので、そういう立体的な魅力が大きいのだが、早口で口の中で呟くようなので、正直良く判らない。

しましまおじさんはよこしまである

脚本・演出/つまさき舞台  出演/野村大

普段考えているけれど、なかなか実行できない良きパパの夢を語る。

よふけのビート

脚本/八十嶋悠介  演出/熊谷嶺  出演/サイトータツミチ

これも抑圧された日常のうっ憤を力一杯にばら撒く。