タウが見た半透明の風景  観劇日時/17.8.26 15:00~16:30  劇団名/舞台芸術等企画団体 浦とうふ店  公演回数/第2回公演
 脚本/町田誠也  演出/浦竜也  演出助手/鷲見かえで  音効製作・選曲/花田綾子  照明/森岡沙綺  
 衣装/喬本珪  小道具/純玲  舞台美術/百島匡  
 宣伝美術/弥﨑エリ  撮影/安井優希    制作/菅原美保・森ゆき・池田あかり  
 受付/宮崎里沙・かわはらまみ  
 劇場名/BLOCH

国同士と民族同士の交友関係

東南アジアに位置する架空の「北リアド共和国」からその国の国費で憧れの日本に先進国の政治・経済・文化などの勉強のために留学に来たタウ(=百島匡)は、経費節減の為に古びたシェアハウスに住み込む。 祖国の北リアド共和国は領海権を巡って近隣国と交戦中だ。そういう環境の中で恵まれて留学できることにタウは覚悟し、祖国の為に力一杯の勉強をしようと地味に懸命に励む。 タウはこの住人達が、模範的に一生懸命に勉強し仕事をし友好関係を作って国の為に努力していると信じていたのだが、このシェアハウスの同居人たちは、それぞれ悪い人は居ないようなのだが、何よりも自分自身のための生き方が自由だと思われることが何よりも意外だった。 だがタウは、そんな自由人である同居人たちの私生活にも徐々に馴染んでいく。だがタウは最後のよりどころとしての祖国への忠誠心が何よりも強く、彼らの生き方や考え方が半透明の幕の向こう側にあるような感じだった。逆に同居の日本人たちから見ると、タウは国家に縛られている不自由な人民としか見えない。 このハウスに住む若い看護師志願のモモ(=森ゆき)に惹かれたタウは、結婚を前提に交際と北リアドへの移住を申しこむ。日頃のタウが故国の家族との親密な繋がりを大事にしていることを見聞しているモモではあるが、これだけは簡単に国柄の違う異国に行く決心には繋がらない。 金に困っている学生・元気(=浅葱宗助)は、あの手この手でタウに借金を申し込むが国費留学のタウにはそれには応じられない。誰も居ない日に元気はタウを殴り倒し、タウの鞄の中の財布から有り金を奪って消える。 その時にタウの留学期限は終わり、切迫した北リアドからはタウに召集命令が来てタウは全ての思いを残してすぐに帰国する。この状況は現実の日本でも起こりかねないリァリティが濃厚でいささか考え込んだ。 それから何年……タウはこのシェアハウスに全く連絡は無かったのだった。

その他の出演者/
   女子大生・亜矢(=喬本珪―Wで純玲)
   学生・ジロ(=杉山俊介)           
   プータロウ・プー(=佐藤真一)           
   世話焼き・光代(=菅原美保)           
   世話係・恭子(=工藤由貴)