昼間談義 公園の柵、ぷらぷらと、花粉症の鳥、
 観劇日時/17.7.29. 18:30~20:00  劇団名/清水企画  公演回数/第21回公演  シアターZOO提携  
 作・演出/清水友陽  照明/清水洋和  衣装/高石有紀    制作/岩田知佳・小林テルオ・中川有子・さとうみきと  協力/梶原芙美子  主催/劇団 清水企画・北海道演劇財団・NPO法人札幌座くらぶ  後援/札幌市・札幌市教育委員会
 劇場名/シアターZOO
 出演/
  ハナ=高石有紀  モドキ=赤坂嘉謙   篤子=畑山洋子     タロウ=三瓶竜大 サエ=奈良有希子   寺野=なかつかゆり   ヒナ=中野葉月  堀田さん=澤里有紀子 和田さん=小林利律子   地図男=川島靖史 マスクの女=佐井川淳子

全ての命ある存在の不思議さと逞しさ

これは一体、なんだろうか? 物語至上主義の僕にはまったく見当がつかず途方にくれるだけだ。
柵で囲まれた入口の無い公園に入りたいのだが……その公園の存在を紹介したいだけなのか、分からない女自身。次の瞬間にはその公園は小動物園になっていて、その女はその小動物園の中に居る。その動物たち、鳥たちは、その動物園の飼育動物ではない。それぞれが家族や友人関係を持っているからある社会の象徴でもあるのか。
この動物園は遠い昔は海であって様々な古代生物の化石が出る。でもこのシーンはなぜか孤立して全体との調和もなく起承転結もない。全員が真っ黒の衣装で舞台中を飛び跳ね回り、時間も無視して、そういう挿話が次々と現れる。
上手上部の窓枠はある現代家庭のシーンだったりTVの場面だったり、その家庭の男が突然に現実の男として舞台に飛び出して来たり、ほとんど意味不明だ。
化石の時代が主要な話題になっていることは、もしかして人類出現以前の、つまりなぜ人類が現在を生きているのかを問い直す作業なのか? それがなぜ入口の無い公園であり小動物園なのか?
でも物語至上主義の僕が、この舞台の観劇中少しも眠くならなかった展開の不思議さ、何だろう? と追及する面白さ! この脈絡の判らない話をリアリティをもって演じた役者たちの存在感!
ラストは、この公園には入口がないと訴えていた女性が、その公園の中から柵を持ち上げて外へ出ようとしたところでカットアウトになった。
人類の誕生の不思議さ、人間たちの社会の営みの複雑さ、それを知ってか知らずか、生命を営みつ続ける、人間を始め全ての命ある存在の不思議さと逞しさとを、自由自在に気ままに表現したのが、この舞台なのであろうか……