僕が素直になれたわけ
 観劇日時/17.6.10 19:00~20:20  劇団名/Delighters  公演回数/1st
 原案/後藤優華    脚本/土岐周平  演出/土岐周平・後藤優華  舞台監督/今野史尚  照明/山本ゆか  音響/大槻覧  アンサンブル振付/藻毛  フライヤー・チケットデザイン/工藤秀信
 劇場名/BLOCH

単純なパッピィエンドに終わらせなかった

最近の若い人たちが創った舞台としては、とても素直で直線的で分かり易く、久しぶりに安心して観ていられた。
人と上手く付き合えない、いわば人間嫌いの草野肇(=岡直弥)を心配した彼の母親は自分の勤務先の上司・木下駿(=土岐周平)が若い人たちと語らってシエアハウスを運営している事を知って、その木下駿に依頼して肇をそのシエアハウスに一週間だけ試験的に同居させてもらうことにした。
積極的には行きたくない肇だが、母の言いつけには背けない。一週間だけは目を瞑る覚悟で、このシエアハウスにやって来た肇を歓迎するのは、木下駿の妹・由梨(=前野彩花)、性同一性障害者の井川剛(=川田由宇)、このハウスを仕切っている姉御肌の平野彩香(=後藤優華)、そして賑やかで人の良い小山弘(=東谷良)らのメンバーたち。
これら6人の人間関係の複雑さを無理なく丁寧に表現しているから素直に舞台に入っていける。
ちょっと気になったのは、シーンの変わり目ごとに説明する独白が多いのだが、台詞に熱が入り過ぎて意味不明な箇所が多発することだ。
ラストで万々歳にならず、肇が何とか第一段階から次のステップへ行ってみようかと考えるところで終ったのが、単なるハッピイエンドではない期待を持たせて良い終わり方だったと思われる。