天使の始末書 観劇日時/17.3.12 16:00~17:35 劇団名/深川市民演劇祭 上演形態/深川市内と近郊の各劇団員たちが自由に参加して創った舞台 脚本/岡安良子 演出/島田裕之    舞台/菊池清大・伏見政子・大野将介・盛本和志    照明/朝川直輝・宮田哲自  音響/助安正樹    衣装・メーク/岡安良子・西村敏子・山上佳代子・蒔田佳代子    プロデューサー/三ツ井育子 劇場名/文化交流ホール「みら・い」 出演/天使のガブ=宮田千晶  蒼井瞳=吉澤美玖  葵仁美=高田のぞみ    葵弘(仁美の父)=高田祐貴    葵早苗(仁美の母)=林志帆    天使のミカ=塩田ひより  天使のユーリ=福岡慎太郎    部長=佐藤オズマ   部長秘書=池田由美子    猫(梅・タマ・秀吉)=清水真由美  ゴメ(老カモメ)=浦瀧美佐子    徳(神社の古木)=及川孝幸  一葉(巫女)=金山サワ    カモメたち・南の島の生きものたち=矢戸暉弥・岡田朋樹    カモメたち・南の島の生きものたち・蒼井宇宙=・佐藤天星    カモメたち・南の島の生きものたち=礒江結来・里実和子・佐藤あいか・          佐藤陽光・谷本結愛・松林舞旺    黒子=櫻庭忠雄・嶋厚志

この世で命を終えた人の第二ステージとは?

この世で命を終えた人たちを第二ステージと称する、あの世に案内する旅行会社の案内人が同姓同名の人を間違えて案内してしまって混乱する経過を描く物語。
ユニークな着目で、死を悲観視せず新しい何かを託しようと考える一種の思想的な
意味さえあるような物語は興味深い。
チエホフの『伯父ワーニャ』のラストの台詞「あちらの世界に行ったら、苦しかったこと、泣いたこと、つらかったことを神様に申し上げましょう。そうしたら神様はわたしたちを憐れんで下さって、その時こそ明るく、美しい暮らしができるんだわ。そしてわたしたち、ほっと一息つけるのよ。わたし、信じてるの。」とある。この劇の基本はこれだろうか?
しかもコメディであり、出演者たちもなかなか達者で、演出も華やかで特にBGMが的確で楽しく乗れる。
ガブとはキリスト教の三大天使のひとりガブリエルの事なのかな?
だが根本的な欠陥が二つある。その一つは導入部の展開が非常に分かりずらいのだ。天使のガブが何をしようとしているのか全く分からない。経過が半分以上も経った頃やっと何とかそれらしいことが分かって来る。
もう一つは脇筋の膨大さだ。この演技者たちはとても流麗なのだが、肝心のこの劇に対する存在意義が希薄なのだ。何のためにその役があるのか判然としない。それは僕の感覚が悪いのだろうか? いろいろと考えてみたのだが遂に分からなかった。強いて言えば世の中の様々な存在を万華鏡のように散らしてみたのだろうか?