些細なうた 観劇日時/17.3.11 17:00~18:40 劇団名/非・売れ線系ビーナス 公演形態/レパートリーツアー第一弾 脚本/田坂哲郎 演出/木村佳南子 舞台監督・照明/糸山義則   音響/田崎大輔  宣伝デザイン/林良子 振付/高田文子    制作/アートマネージメントセンター福岡 非・売れ線系ビーナス 劇場名/シアターZOO 出演/笹音=大竹謙作    マユミ・サワ=岩城朋子    トロワ・ヒロフミ=福澤究    カゲフミ=ケニー    ナナセ・ワタル・ネコ=ぽち    タサカ=田坂哲郎

関係性が複雑で分からない

引き籠りになった30歳の男カゲフミと、その母、そして同級生タサカなどの生き様。この引き籠りの男の脳裏には、現代短歌の世界に彗星のごとく現れ26歳で病没した実在の若き天才・笹井弘之の短歌が支配していて、その笹井が同居している。この舞台では笹音と称している。
ただ、この短歌とカゲフミとの共通性が分かりにくい。おそらくカゲフミは笹井の詠じる短歌を拠り所にしているのだろうが、余りにも強く感情的に泣きながら笹井に己の感情をもたらす一方なので理解不能だ。
作者で客観的人物のタサカとカゲフミと笹井との関係も曖昧で、もしかしたらその曖昧さを表現しているのだろうか。
カゲフミがラストで級友のナナセとのラジオ体操で汗びっしょりになって再生する予感は半端な成り行きで疑問が多い。全体の枠組みが弱く何を訴えているのかほとんど分からず感銘が薄いのだ。