夏の夜の夢

観劇日時/17.1.21  18:00~19:45 劇団名/北翔舞台芸術2年目 公演回数/定期公演Vol.24
原作/シィイクスピア  訳/小田島雄志  演出/村松幹男 照明/岩男里奈・坂本菜々子・高橋優衣 音響/水谷冬香・工藤花・久松祐貴・高橋郁哉 衣装・メイク/北翔大学教育文化学部芸術学科服飾美術分野 制作/畠山華奈美・千葉新之助 劇場名/ポルトホール 出演者/ 貴族 シーシュース=鎌田脩平  ヒポリタ=荒谷知優   イージーアス=佐藤潤一郎 ライサンダー=木村彰吾 ディミートリアス=百島匡 ハーミア=今井満美子 ヘレナ=水谷冬香  フイロストレート=櫻田香里 職人 クインス=越前谷祐之介  スナッグ=門脇美穂  ボトム=中村彩子 フルート=霜沢花朋 スナウト=石川也哉子  スターヴリング=高見誠 妖精 オーベロン=丸山琴瀬  タイテーニア=横江梨紗  バック=伊藤莉奈 豆の花=佐々木やすほ 蜘蛛=竹中美佳  蛾の羽根=櫻井奈美 芥子の種=秋元弥生  女王に従う妖精=仁木わかな

人間にとって妖精とは何か

古典の名作を上演するのは若い演劇人にとって、とても大切なことであり、我々ロートルにも、古典を再確認するという意味でもとても大事な舞台であり、そういう機会を与えて下さる北翔大学にはウインウインの関係であることを感謝して大事にしたいと思う。
今日の舞台で思ったのは、貴族・職人・妖精と三つのグループをくっきりと分けた戯曲の的確な判断だと思う。
特に妖精の行動は、現在の常識から考えたら荒唐無稽だと思われるが、実は人間の思考は、こういう実在しない存在によって判断されたという思い込みによった結果なのだと感じられるのだ。
逆にいうと、人それぞれが、こう生きようと思って取った行動が結果として上手く行かなかった場合に、それは妖精のやったことだと責任回避して、悲劇もハッピィエンドだけを引き受けるという人間にとっては都合の良い存在なのだろう。
この物語は、そういう意味ではきわめて現代的な心理物語だ。荒唐無稽の話はすべて夢の中の話なのだが、すべて人々の思考の悪い結果は妖精に責任転嫁してやり過ごすのが平安なのだということなのだろうか。
そういう意味では昼公演で観た『初夢』はそういうお芝居であったのか? この『夏の夜の夢』を観て、何だか『初夢』が理屈で納得できたような気もした。