学校でなにやってんの
観劇日時/17.1.12 14:00~15:00
上演団体名/北海道北見緑陵高校演劇部 公演名 /札幌演劇シーズン特別プログラム/かでる演劇フェスタブル 「北海道高校演劇Special Day」
演出/後藤留果(2年)  舞台監督/川潟芽以(3年) 照明効果/橘井りこ(1年) 音響効果/鈴木帆花(1年)・岸田沙羅(1年) 衣装/岸田沙羅(1年)  大道具・小道具/鈴木帆花(1年) 劇場名/北海道立道民活動センター「かでる2.7」大ホール 出演/山田(放送局 部長) 後藤留果  2年 髙橋(吹奏楽 部長)     柴田由紀奈 2年 佐倉(演劇部 部長)     三浦彩香  2年 河原(美術部 部長)     羽生知央里 2年 齋藤(華道部 部長)     加藤大雪  2年 横井(放送局 顧問)    中村昇太  3年 隈野(吹奏楽部・放送局の見学者)      長原友良  1年 上原(吹奏楽部・々見学者・昔の高橋②)   種田未来  1年 ひろ子(吹奏楽部・ボランティア部・々見学者)大塚碧衣  1年 知世(吹奏楽部・昔の高橋①)        辻つばさ  1年 典子(吹奏楽部々・妄想の河原)       水野純伶  1年 黒子(リードと絵の具を貸す男・演劇の神様) 中野義伸  2年 先輩・先生              根本那生   3年

前向きに生きる若さの日々

ある高校の放送部は部長が一人だけの部活だが、彼は文化関係の各部長を集めて話を聞きドキュメンタリー番組を創ることを発案する。
演劇部も部員はやっぱり部長一人だけで、何か良い方法がないのかとあれこれと考えている。
吹奏楽部の部長は20人以上のメンバーで連日猛稽古を行い、全道大会出場を目指しているが、何となく上から目線で喋る。
美術部は全道規模の展覧会に何人かは入選しているが、今日出席の部長は華道部の部長と特別な仲だ。
華道部の部長は他人とのコミュニケーションが取れない人だが、美術部長が彼の活けた花をモデルにしてから美術部長とは意志の疎通が出来るようになり彼は花用の鋏を鳴らすことだけで会話が成立する。
放課後にこの5人の部長が放送室に集まってインタービューの問答をしていたのだが、放送部顧問の先生が部室に入ろうとした時に、出ようとした部長と両側からドアノブを強く回し合ったために故障して5人は部室から出られなくなった。
顧問の先生も好意で下校時間を見逃していたので公には出来ない。何とかドアを開ける工夫とか食糧調達の手段とかいろいろと挑戦するのだが、最後に演劇部室にドリルとかハンマーがあることに思い至り、何とか解放されて、それぞれ帰って行く。
一人残った放送部長はインタービューが上手くいったと喜びドキュメンタリーの編集作業に没頭する。
吹奏楽部長が帰宅時間まで、ここで待たせて欲しいと戻ってくる。彼女は今日の話し合いの中で自分たちの部活の良さ、楽しさを再確認したのだ。
その話を聞いた演劇部長は、この放送局長の前向きな姿勢、態度をメインに劇を創って出演者を募集しようというアイデアを思い付く。
何もない所から何かを考え付き、前向きに毎日を生きていく工夫を楽しむ青春を描いた一篇であり、全編コミカルな演技とわざとズレル演出、そしてテンポの良さで後味の良い舞台を創った。
ちょっと心残りだったのは、人物たちの心境が平面的で直線的だから葛藤が少なくて劇的な状況が起きないことだ。もっと各自の心の奥深い所の想いを描出できたら、もっと面白い劇的な展開が出来たと思われた。

台本作者の名前は書かれていないが、現実の北見緑陵高校演劇部長の柴田由紀奈さんが、現実に一人で活動している北見緑陵高校放送部長の大野友稀さんの協力を得て創りあげたと記していることを付記したい。