汚姉妹 ~呪われた少女~

観劇日時/16.12.17 19:00~20:40
劇団名/劇団 アトリエ
公演回数/第21回公演
上演形態/【Re:Z】シアターZOO企画公演

演出・脚本/小佐部明広  舞台/米澤春花
照明/山本雄飛  音楽/SaKi
音響/小佐部明広  衣装/佐々木青  小道具/佐藤智子
宣伝美術/八十嶋悠介  制作/丹野早紀・後藤夏実

劇場名/シアターZOO

呪われて汚された姉妹

タイトルのイメージから「脱イノセンスな汚れた女性たち」のように受けとっていたのだが、実際の舞台の展開を観たら全く逆で、まさに「呪われて汚された姉妹」の物語だったのでちょっと意外だった。
この姉娘・ハル(=山木真綾)は、何らかのマイナスイメージを負っていながら、ひたすら陽気に笑って生きていこうというキャラクターだ。その妹・アカリ(=脇田唯)と、そこへ飛びこんできたのは絵を描く事が好きなユウタ少年(=有田哲)と何
故か不幸な少女・ミーコ(=小川シオリ)、そして何かというと金をチラつかせる、その兄妹の父である成金のヤナギ(=伊達昌俊)の家族が絡んでくる。
それらを統べてモモ(=塚本奈緒美)という美少女が、やはり絵の魅力を語りながら司会者のように物語を進めてゆく。
さらに訳の分からない放浪人・ケイ(=熊谷嶺)が絡むのだがすべてが象徴的な表現形式で、演技にはリアリティが充分にあるのに、物語の展開が現実的ではないので寓話というか、お伽噺なのだ。
叫んだり形式的に動いたり形を造ったり、むしろそういう表現形式がインパクトを与えているのだが、やはり意余って力足らず、汚濁の世の中に必死に生きるイノセンスな弱者との対比の構図は、訴求力の弱さが目立ってしまって残念な結果だったと言わざるをえない。