授 業

観劇日時/16.11.19 17:00~18:05
劇団名/東京乾電池
主催/公益財団法人北海道演劇財団・NPO法人札幌座クラブ・
劇団東京乾電池

公演形態/シアターZOO企画公演【Re:Z】

作/ウジェーヌ・イヨネスコ
演出/柄本明  舞台監督/戸辺俊介
照明/日高勝彦  音響/原島正治

劇場名/シアターZOO

出演者/教授=柄本明
女生徒=重村真智子・川端美郷(W)
女中=西村喜代子

教授の位置の捉え方

今までに何回も観た『授業』と今日観た「東京乾電池」の『授業』とはとても印象が違って視えた。
教授の狂気が、前回までは生徒との噛み合わないいらだちが算数と言語学だけではなく地理学を含めてクレッシエンドしていったと思ったのに、今回は一方的に教授が急速にテンポアップしていった印象が強い。これでは単なる狂気としか思えない。
ラストの卍に象徴されるように狂気と同時に一種の人心掌握術がなせる見せかけの狂気と捉えたかった。だからこの卍がいかにもとって付けたような感じだった。
柄本明は演技中に何かのアクシデントで急に素になって苦笑する。いつもこれが気になっていたが今日も大事なところでこれをやって女中もつられて笑いをかみ殺すのに必死だった。
殺された女生徒の姿が前回までは一種の神秘性が秘められているような感じがしたのだが、今日は何かアッケラカンと日常的で、逆に女性蔑視みたいな気もする。