リア王

観劇日時/16.11.5 19:00~21:40
劇団名/テアトロ・マアルイin 風蝕異人街
上演形態/2016TGR参加作品

作/ウィリアム・シェイクスピァ  演出・照明/こしばきこう
演出助手/阿部樹子  舞台監督/剣崎薫  
舞台監督助手/佐藤駿  舞台スタッフ/秋山倫瑠
衣装/熊谷敬子・小林あかね  写真撮影/渡辺保
スタッフ/岡谷友美・秋山倫瑠  Special Thanks 平田雄介
制作/実験演劇集団 風蝕異人街

劇場名/タミナルプラザことにPATOS

出演/リア王(病気入院の男)=三木美智代
グロースター伯爵=山本啓介
エドガー(グロスターの息子・兄)=倖田直機
エドマンド(グロスターの息子・弟)=村上友大
コーンウオール公爵(次女リーガンの夫)=平野たかし
オールバニ公爵(長女ゴネリルの夫)=剣埼薫
道化(看護師)=こいけるり・高城麻衣子・小林あかね
ゴネリル(リア王の長女)=堀きよ美
リーガン(リア王の次女)太田有香
コーディーリア(リア王の三女)=小林あかね
オズワルド・召使=平野たかし・剣埼薫

演奏/バンドネオン=小川紀美代
ジャンベ=鼓代弥生・佐藤夕香

現代化しようとしたリアの悲劇

絶対君主であるリアの三人娘たちへの愛憎と、リアや娘たちを取り巻く人間関係を現代の親子関係や人間関係に擬えて、その本質を演劇表現として探りだそうという意図は壮大で頼もしい。
でも衣装や道具立ては17世紀のイギリスの様相だし、何か経過を説明しているだけのようにも見えて、意余って力抜けた感じだった。
この複雑なリア家系とグロスター家系が説明不足なので観ていて焦慮感が強い。もちろん原作があるのだから誰もが知っている知識として細かな説明は省いて当然だが、複雑だから混乱して一々人間関係を確認しなければ次の展開に付いて行けないエネルギーの負担になる。

道化役の3人を現代の看護師としてリアを付き添う係役を演じたのが適役だったが、他の人物も、このように現代的に戯画化して特化すれば、分かり易く面白く表現できたのではなかろうかと思われた。