我夢捨螺

観劇日時/16.7.23 14:00~15:30
劇団名/RED KING CRAB
公演形態/シアターZOO提携公演【 Re:Z 】

脚本・演出/竹原圭一
舞台監督/島田章広  舞台美術/米沢春花  音響/西野輝明
照明プラン/鈴木静悟  照明オペレーター/干場美恵子
音楽制作演奏/山崎耕佑・大竹翔平  制作/小川しおり
宣伝美術/安田せひろ

劇場名/シアターZOO

出演/能登屋駿介・木山正太・湊谷優
ラジオニュースキャスターの声/塚本奈緒美

心理的闘争の物語

 

 雪の山中に閉じ込められた登山者が、救助されない結果、遂に亡くなってしまった。その山中の避難所での、生き延びている彼とそこへ辿り着いた遭難者たちとの交流がリアルに描き出される。
 最初に着いた男は、全く生き残る当てはないと観念している。でもその後に辿り着いた男たちは、まだ何とか生き残れる希望と手段は残されているかも知れないと信じている。この人生最後の男と、残れるかもしれない男たちとの、これまでの人生、そして生き延びられるかも知れないこれからの人生を賭けて、トコトン執拗に我武者羅に言葉で闘う。
 作者は、「我夢捨螺」というタイトルの文字に「相手に尽くすため、らせん状に山に登るように一歩一歩前に進む」という意味を込めた。自分本位ではない損得勘定のない、見返りを求めず人に尽くす姿を描きたい。と言っている。
 本来の「がむしゃら」は「我武者羅」であり、これも当て字だろうが「我夢捨螺」には作者が込めた意味が感じられる。

 だが、その意図は判然とはせず、この特殊なシチュエーションの中で裸の心で激しく相争ううちに次第に明らかになる男たちの心情を描いた一種の心理闘争の物語であろうという印象が強い。