OKHOTSK ―終わりの楽園―

観劇日時/16.7.23  11~12:00
公演団体名/札幌市 こどもの劇場 やまびこ座 プロデュース
公演名/札幌市こども人形劇場こぐま座 40周年記念特別公演

作・演出・美術・出演/沢則行
演奏/バロック・コレギウム・サッポロ
ヴィオラ・ダ・ガンバ=布施久美子
リコーダ&バロック・フルート=新林俊哉
バロック・ヴァイオリン=相内俊一
太鼓&鈴=能智洋
チェンバロ=近江宏
砂絵・影絵制作・操作/黒川絵里奈  影絵操作/中川有子
舞台監督/新貝伸二 照明/鈴木静悟
音響/西脇秀之 音響操作/岩尾奈々絵
舞台/福田舞台  衣装/安尻美代子・アキヨ
美術スタッフ/中川有子・黒川絵里奈・藤田直子
舞台スタッフ/須摩康平・白川さおり・山﨑明慧

劇場名/札幌 やまびこ座

出演/さっぽろ人形浄瑠璃芝居あしり座
主遣い=矢吹英孝・左遣い=安田晃子・足遣い=池内潤樹
 宮川聖子・(W=縣梨恵)・後藤克樹・会田優子

異民族間の悲恋

 千五百年前のオホーツク周辺は今よりも温暖で、北海道のオホーツク沿岸地帯にも北方から移住してきた多民族で賑わっていた。
 そこへ大和の男が事件に遭い幼児を連れてこの地へと移住する。この子はやがて成人となり、地元の長である女性と愛を育てる。そこへ大和の女帝の下僕である女性たちが来て、地元の民族を討つように命令する。
 男は最後に妻であり地元の長であり彼の子を宿す女性と決闘になって、己が刃を捨て、その女性の槍を自分の胸に突き立てて自害する。
 これらの物語はすべて感嘆詞や掛け声のみのパントマイムであり、主要人物以外は、俳優が人形を遣ったり、仮面を被って俳優その者が登場人物を演じたりするから物語は分かりずらい。だが象徴的な表現は逆に印象が強く残るようだ。
 人物や風景を砂絵で描く経過そのものをスライドで舞台の真っ白な緞帳いっぱいに映写したり、切り絵や実際の人物のシルエットなどがこれも舞台いっぱいに大きく写し出されると、それは幻想的で素晴らしい。

 だけど、この舞台は単なる悲劇なのだろうか? 現在に訴えるのは、他民族との勢力争いは悲劇だと言っているだけなんだろうか? その辺のインパクトが物足りないのだ。