糜 爛 ~びらん~

第二回目 観劇日時/15.12.23 20:00~21:30
データは第一回目に全く同じ

国が乱れる話

「糜爛」という語句は何となく紊乱・腐乱・などという「爛れる・腐る・乱れる」という意味だとは感じていた。念のために「広辞苑」を引くと「ただれること。転じて、国の乱れることをたとえていう」と出ていた。まさにこの舞台は、この女に象徴されて、国が「ただれている」ことを描いた、そのものずばりのタイトルなのだった。それを再確認させられた第二回目の観劇だった。
僕の規定する一人芝居の第一パターンは、演者の個人的な心情とその周辺を客観的に描写するから、「劇」という文字が表す「虍(トラ)と豕(イノシシ)が刂(刀で闘う)」経過を「演(述べる)」という演劇的な対立・葛藤が薄いのが欠点だ。ところがこの演者の独特な語り口は、本人自身が自分の過去を喋っているリアリティがあり、演者の主観的告白が「劇」を支えているのであり、一人芝居の新しい表現法かなと思った。