アイランドー 監獄島

観劇日時/15.12.2  12:00~5:50
劇団名/プロジュエクト・アイランド

作/アソル・フガード 演出/ソ・ジヘ
舞台監督/キム・ビョンス 舞台スタッフ/イ・ウンス イ・スンヒョン
照明デザイン/キム・ソンテ 照明スタッフ/ハン・ウォンギュン
音響/チョ・イェヒョン

劇場名/シアターZOO

出演者/ジョン=チェ・ムイン   ウィストン=ナム・ドンジン

言葉の意味を超えて伝わる問題意識のエネルギー

昨年に観て大きな衝撃を受けた舞台で、今年の再演も非常な期待をもって客席に座った。総体的な感想の結果はまったく同じことだと感じ、去年の感想記(本誌第47号所載)を読んで確認した。ただ昨年に観たときには台詞の内容から、或る程度の状況を把握しながら観ていたのに、何故か今回は余り具体的な説明の台詞が無いように感じられて、一緒に観た複数の人たちに聞いてみると、「登場人物たちの具体的な状況は分からないけど、それは問題ないと思う」ということだった。
おそらく僕も今回が初見だったら、二人の囚人がなぜここに居るのか? なぜ『アンティゴネ』をやろうとしているのか? それがどんな意味があるのか? などということが漠然としていたのではないのかと思う。だけど、そんな具体性を超えて、この舞台は物凄いエネルギーを持って観客に何かの訴えを強烈に投げかけてきて圧倒される。そういう風に仕組み直したんじゃないのか? とさえ思ってしまう。

「韓国語が分からないから凄いエネルギッシュな台詞にリアリテイがあるのか、もしかして様式的な表現なのかは良くは分からない。いままで観た韓国の舞台ってエネルギッシュだが、様式的なイメージが強いのだ。言葉が分からないと言う引け目があるのかもしれないけれども……」と初見の時の感想の一部に書いてあったが、今日の舞台では言葉の意味が分からなくても、そのリアリティは充分に感じられ、恐らく様式的な演技ではないと確信した。