会津藩、かく戦へり

観劇日時/15.11.21 19:00~20:00 ― 20:30~21:40
主催/琴似屯田兵入村140周年記念事業演劇公演

作/渋谷健一 演出/山根義昭
演出補佐/渋谷健一 演出助手/武田有加
美術/高田久男 照明/相馬寛之
音楽/綾部潤和 二胡演奏=森敦志 音響効果/西野輝明
舞台監督/広光洋一 衣装/早瀬雅美・高井悠季
小道具/斉藤誠治・山根三男
ヘアーメイク・着付/ビューティサロン毛内
着付/森桂子 メーク/市川幸代
日舞振付/若柳雅継 殺陣/渋谷健一
宣伝美術/齋藤友彦 制作/飯塚優子

劇場名/生活支援型文化施設 コンカリーニョ

出演/ 
会津・斗南1 
堀井百合子=斉藤和子
堀井小雪=元木みづほ
 水沢花南=栗原聡美
水沢南美=佐々木夏海
 長田清=早瀬雅美
長田鉄治=齊藤樹
橋本家 佳乃=徳永百代
左近=渡邊秀敏
りつ=廣野雅子
わかば=津原なつみ
兵頭貴枝=畑山洋子
兵頭藍=川島加代
内藤あずさ=金子綾香
元村恭平=鈴木大生
堀井房子=尾崎逸子
堀井万里子=水谷知子
ふじ=高野吟子
幸助=山根三男

会津・斗南2
大隅源一郎=鹿角優一
教助=田渕優駿
十郎太=佐藤佑哉
島治=冨田健輔
虎太郎=谷脇栄佑
永倉新八=長流三平

余 市
渡来甚三郎=斉藤誠治
宗川茂友=新井田廣
内村影時=小川貴大
川合あゆ子=杉本明美
平塚常盤=仲野悦子
長吉=森祐太
てる=浅野希美
ひさ=小賀坂紬
かよ=下井ななせ

斗 南
八木利三郎=松岡篤信
成瀬六郎=浦田力
中原英明=田渕優駿
坂田信行=谷脇栄佑
松岡勝二郎=冨田健輔
土屋城之助=佐藤佑哉

薩長に敗れて琴似を開拓した会津藩の人たち

幕末、大政奉還に反対して幕府体制を守るべく薩長と闘って敗れ、北海道・余市へ流された会津の人たち。彼らがその後、琴似を開拓した由緒で創られた史劇。
主に女性の立場から描かれ藩主の未亡人・堀井百合子の説得力のある平和主義。そしてそれを背後から支える剣術では男勝りの達人である姪・水沢花南。さらにその裏で彼女たちを支える大剣豪の永倉新八らが出没する。派手な殺陣やら日本舞踊などが彩る2時間半に亘る大絵巻。
裏切った相手藩と闘って会津武士の意地をみせようとする若侍たちは、それは同士討ちに過ぎない、結局は薩長明治政府の策略だと止めようとする堀井百合子。そして力の実践の残酷さを教える新八。だがシャニムニ戦いを挑んだ若侍たちは全滅してカットアウトで幕が降りる。
本当の会津魂とは闘って勝つことではない。自分たち皆の生活を向上させることだと説く百合子。それを信奉する女性たち、さらに後ろから支える水沢花南と永倉新八。

これらの図式はまさに現代にぴったりと当て嵌まるだろう。今日の客席は普段に演劇を見慣れない人たちが多いようで、それを意識して分かり易く創ったのかも知れないが、余りにも分かりきった歴史解説劇に最初は余り乗り気でなかった僕も、だんだんにすっかりのめり込んで、その他大勢の登場人物たちのぎこちない素人っぽい演技者たちの舞台にも全く退屈することなく魅了された2時間半だった。