どう、しよう、も、ない

観劇日時/15.11.18 20:00~21:50
劇団名/演劇ユニット イレブン☆ナイン
作・演出/納谷真大 照明/上村範康 
音響/奥山奈々 舞台美術/高村由紀子
舞台監督/上田知 映像/古跡哲平 衣装/小林泉 振付/石川藍
宣伝美術/小島達子 宣伝写真撮影/クスミエリカ 
題字/澤田未来  記録映像/小路篤史
制作/澤田未来 ゼネラルマネージャー/カジタシノブ
主催/札幌副都心開発会社・北海道演劇財団・ELEVEN NINES
企画・制作/ELEVEN NINES

劇場名/サンピアザ劇場

出演/
鏑木庄吉=江田由紀浩 
鏑木庄太郎=明逸人 
鏑木庄次=大川敬介
鏑木庄三郎=石川哲也
鏑木庄五郎=田中春彦
鏑木庄七郎=由村鯨太
アオイ(庄吉の妻)=上總真奈
アカネ(庄太郎の妻)=小林泉
ユノ(庄太郎の妹)=生水絵理
モモコ(庄次の妹)=廣瀬詩映莉  
ミドリ(庄之進の妻)=澤田未来
女=小島達子
翔太=尾崎翔太
鏑木庄一郎=山田マサル
チャーミィ=渋木こうすけ
鏑木庄之進=納谷真大

お芝居の世界の魅力に惹きこまれる

離島に伝承されている伝統芸能の三代目後継者を巡る狭い身内の争い。具体的な葛藤の展開は観た人だけの特権だから、ここで詳しい内容は説明しないが、三つ巴から弾き飛ばされた実力者同士の抗争、そして何とかそれを取り込もうとする道を探る温厚な常識人、あるいは巧妙な仕掛け人。
それらの一癖も二癖もある互いに互いを知り尽くした人たちの丁々発止の遣り取りが二代目の死後7日間に亘って繰り広げられる。
そういう身近にも有り得る世界の象徴として分かり易く、そして客観的には面白おかしく繰り広げられるストーリィテーラーの大技に2時間を吸い取られた感じだ。
物語の表す世界に深みと広がりが無いと言えばそうかもしれないが、お芝居としての面白さ、一場面一場面の遣り取りに共感したり反発したり舞台の展開にいつの間にかのめり込んでゆく魅力の大きさがこの舞台の最大の存在価値であろうか。

唯一、気になったのは舞台装置の中途半端で投げやりっぽい稚拙さだった。