KNOCK KNOCK KNOCK

観劇日時/15.10.11 18:00~19:15
劇団名/THE 36 ROUTE

作・演出/柴田智之 音楽/ムシニカマル 振付・美術/齊藤智仁 
人形製作/JAMANI 舞台監督/忠海忠 照明/枇本亨洋
宣伝美術/山田愛衣 アニメーション/住吉直道
制作/小室明子 制作協力/大森佐知子

劇場名/ことに PATOS

出演/柴田智之・かとうしゅうや・荒浩昭・ムシニカマル

大人の現実へ成長する少年の夢の崩壊

正直言ってよく分からない舞台表現だ。少年を表す高さ1メートルほどの多分金属製の裸の人形を三人で遣い、主遣いは、この少年自身、右手は父親で左手は母親がそれぞれ遣う。所詮、子どもなんて親の手の中にしか存在しないということの象徴なのか?
この三人の葛藤の場面で両親は紙袋を顔に被って表情を表さない。子供から見て親の心情は分からないし、親からみて子供に本心を現わさないということなのか?
何か罪を犯したらしい子どもは別の同じような罪を犯したらしい男と、哲学的な問答を延々と繰り返す。理屈っぽく退屈だ。
憧れのスーパーマンが現れるが、ヒーローが散々に打ちのめされる幻影。三人の操る少年の人形と共に背景の壁が粉々に打ち破られるとその中のバンド演奏。「メリポピンズもサンタクローズも夢だ」という歌詞。
これは一体何だろうか? 良く言えば大人の現実への成長、ひねって言えば少年の夢の崩壊だろうか? 換言すれば、良く言えば前衛的だが、言い方を変えれば、自慰的、自己満足的な凝った表現で創った難渋な舞台であった。