もしもし ハロー、

観劇日時/15.10.10 15:00~16:20
劇団名/劇団 しろちゃん
公演形態/2015秋公演

脚本/檜山真理世 演出/菅谷元 
振付/根岸雄登 照明/芋田桃子・酒井涼香 
音響/青栁卓実 映像/泉香奈子
その他、制作・情宣・宣美・舞台・小道具・衣装/総員40名

劇場名/BLOCH

喪った青春ではなく、初めから無い青春

三つの別々の話が脈絡なく描かれる。
まず、暗い絵ばかり描いている若い男(=金丸光)、部屋の家主(田口ノブヒコ)からは、先生と持ち上げられて呼ばれている。最近、隣室に越してきた若い女性キミ子(=東千智)にも絵の上手さを褒められる。でもキミ子に「もっと観た人に明るい希望を持てるような絵を描いて欲しい」と言われても、自分は自分の感情を描いているだけで、彼女に「モデルになる」と言われても、「人がいると描けない」と断る。
次に、別の若い男・けーちゃん(=柴野嵩大)は同級生の女子(=金子唯)と同居しながら、一人でいたいと言って同衾はしない。彼女は何とか一緒に生活を楽しみたいのだが、彼は何となく一緒にいるだけだ。積極的な彼女は遠隔地の就職に内定した。一緒に行って欲しいのだが彼は煮え切らない。意を決した彼女は二人で同宿した温泉宿から去る。一人残ったけーちゃんに宿から二人分の夕食が出る。ブツブツと呟きながら好きなものだけを食べ、彼女の好きなものは向かいに置かれた彼女用のお膳へ運び寂しい一人宴会。
そして、女同士でルームシエアーしている、ゆえん(=檜山真理世)とミノリ(=清水美帆)、怠惰な女にマメな女はセッセとウエデイングドレスを作ってやっている。黙ってモデルになっている女。
以上三つのシーンがそれぞれ独立して交互に演じられ、お互いの交流はない。黒装束で白い仮面のゾンビのような不気味な妖怪がたくさん出てきて、それぞれのポイントシーンで彼らを象徴するごとく不気味に踊る。
暗い青春の群像が描かれるだけで虚しくなるような、この一種の青春のニヒリズムは一体、何なんだろうか?
その他の出演/榊原禎拓・笠井成美・片平一・竹原達裕・山内ともみ