PROOF 証明


観劇日時/15.9.10.  14:00~15:50  二回目/15.9.10. 19:30~21:20
劇団名/MAM
上演形態/シアターZOO企画【Re:Z】

作/デビッド・オーバーン 翻訳/谷賢一 
演出/増澤ノゾム
照明デザイン/笹森明彦 美術デザイン/牧謙一
大道具製作/ほりぞんとあーと 音響/大江芳樹
舞台監督/下澤要
衣装/佐々木青 制作/笹森朝子 
協力/小松悟・脇田唯 企画協力/佐藤剛

劇場名/シアターZOO

出演者=(一回目、 二回目)
キャサリン=(飛世早哉香、田中温子)
ロバートの教え子・ハル=(白鳥雄介、東山健太)
姉・クレア=(松岡春奈、逢坂由委子)
父・ロバート=(増澤ノゾム、増澤ノゾム)

父と恋人、愛情と経済関係、三つ巴の混沌

何世紀に一人という天文学的天才のロバート(増澤ノゾム)という数学者が居た。シカゴのある大学の教授で何世紀にも亘る数学の難問題を次々と解明して世界的な名声を博したのだが、30歳を過ぎたころ精神に異常を来し早逝したのだ。という架空の設定からこの物語は始まる。
姉娘・クレア(松岡春奈・逢坂由委子)はニューヨークへ転居し伴侶を得て経営コンサルトとして自立している。妹娘・キャサリン(=飛世早哉香・田中温子)は精神異常の父を守って故郷シカゴの家を守る。だがこの旧家で暮らす二人の経済を支えていたのは姉・クレアなのだった。
父の死後、その膨大な研究ノートの中に意外な新しい数学理論のアイデァを発見したのが、妹の恋人であり先輩でもある学究であり父の弟子でもある青年・ハル(=白鳥雄介・東山健太)であった。
この妹・キャサリンと恋人である先輩・ハルとの愛情関係、姉妹の経済関係、妹娘と父との関係、この三つが交錯して行き違う、数字や学問では証明できない人間関係の切なさ。
そして青年の学問的真理を的確に証明できそうで出来きれない、もどかしさと切なさの三つ巴の混乱とがこの物語のテーマなのだろうか? この関係に限らず、すべての人間関係の象徴とも感じられるのだ。
キャサリンを演じた田中温子のキチンとした演技の聡明さの魅力が大きいが、一方、飛世早哉香の情熱的な心情が、この妹の心情を訴える力が強いのだ……
姉・クレアの松岡春奈と逢坂由委子とは逆の方が良いのではないか? 飛世と逢坂、そして田中と松岡のキャラが似ているから、飛世と逢坂の姉妹、そして田中と松岡の姉妹の組み合わせの方が分かりやすくしっくりと感じられる。