ブレーメンの自由

観劇日時/15.8.17 19:00~20:30  再観日時/15.8.19.  19:00~20:30
作/ライナー・ヴエルナー・ファスビンダー 翻訳/渋谷哲也
劇団名/札幌座

演出/弦巻啓太 音楽/齊藤歩 照明プラン/相馬寛之
照明オペレーター/栗林佳菜子 音響オペレーター/市川薫
舞台美術/川崎舞 舞台装置/アクトコールKK
舞台監督/佐藤健一
衣装・小道具/山本菜穂・高子未来 宣伝美術/若林瑞沙
制作/松本智彦・横山勝俊 ディレクター/齊藤歩
プロデューサー/平田修二・木村典子

劇場名/シアターZOO
出演者/清水友陽・林千賀子・原子千穂子
・山野久治・宮田圭子・松橋勝巳・
温水元・齊藤智仁・町田誠也・藤田慶輔・菊池英登

社会環境から脱出するエネルギー

初演に較べて、具体的な人間関係の描写が濃厚になっていて、これが様々な関係性の象徴になっているとも言えるが、その今回の舞台は、男女関係の特に男尊女卑のあり方と宗教上の不自然さに対する抵抗だけに限定されて、狭い世界から噴出した具体的で特定のエネルギーがもたらした特殊な物語であるような感じが強い。
 初演では、その関係が抽象化されていて、人間の苦悩の限界を破らざるをえない心境が一般化されている印象が強かったと思う。初演の感想は当誌『続・観劇片々』第41号に詳細に報告してあります。
漱石『それから』の長井代助の、周りの人たち特に父親から理解されない独特の苦悩と似ている気もする。だが、それは特定の具体的な悩みであり、『それから』は代助のその悩みが主題なのだ。