フリッピング 第2話

観劇日時/15.8.2. 12:00~13:45
劇団名/パインソー  
公演回数/11th

脚本/川尻恵太 演出/山田マサル 
主題歌・楽曲制作/あらいふとし
助演出/こけし 照明/樋口優里 
音響・宣伝写真/奥山奈々 舞台制作/上田知
協力/演劇専用小劇場BLOCH・劇団リベラルシアター・
麺屋潤焚・ ディリバレーダイバーズ・時速246億・萩本企画・
ワタナベエンターテインメント・劇団イナダ組・イレブンナイン

制作部・小道具/藤谷真由美 制作協力/アキモトキミコ・鎌塚慎平・
スペシャルサンクス/太田真介・劇団木製ボイジャー14号・
BLOCHサポートクルー

劇場名/演劇専用小劇場BLOCH

文明発展の障害?

風間玩具製作所では、社運を賭けて新製品「不細工人形キット」と「やわらかラジコン」のどちらを製作発売するかを激論の末、最終投票によって決めたところへ注文していたピザが届いた。第三者の意見も聞くという勝手な理屈で、有無を言わさずピザ配達人を巻き込んでの再投票になって「不細工人形キット」が逆転決定した。
発売してみると爆発的な大当たりとなり、社長以下5人のメンバーは大多忙で疲労困憊の末、事務所の床に倒れ込んでひたすら寝る。そこへ入社希望の若い女が訪れる。だがこの女、実は幕末の平賀源内の隠れ逃げ場所が、この玩具製作所だと調べて、密かに源内の痕跡を探りに来たらしい。生命維持装置を自作して現代に蘇った源内は、文明の過度の発達は人間に必ずしも幸せをもたらさないと言う。
この真面目なテーマを基本に、全編ぶっ飛んだギャグ満載と論理的に矛盾だらけで前後の繋がりの無い展開だらけだけど、満場、爆笑・哄笑の大波だ。
ナンセンスなやりとりと突然の唄や踊りが壺に嵌って抜群のセンス、この手段はナンセンスを標榜しているのだが、話の芯が確立している限り、ナンセンスは表現技術の一つだと思う。
『サムライヌード』と同じく、ある主題をそれとなく潜ませながら極端なナンセンスでエンターテンメントな表現するのが、新しい若い舞台であるかもしれないし、若い観客に受け入れられ易いのかもしれない。願わくば、その思いをさり気なく、強く魅せて欲しいと念願する。