しろいし

観劇日時/5.7.20. 13:00~14:10
劇団名/木製ボイジャー14号

脚本/鎌塚慎平 構成・演出/前田透 
照明/山本雄飛 舞台美術/朱希
衣装/おかしゅんすけ 制作/前田透・佐々木悠花 
音響/天谷祐介  小道具/井上嵩之・山口萌 
舞台監督/鎌塚慎平 宣伝美術/川幡香奈

会場名/ポプラ若者活動センター  活動室2

白石に象徴される物語集

物語も人物もまったく繋がりの無いショートストーリィが次々に展開される。それは「しろいし(白石)」の町の中での様々なシーン、家庭、学校、病院、飲食店、街頭等々だが、それぞれのテーマは判然としない。何かわずかな摩擦が起こるのだが、それは必ずしも解決するわけでもない。
家庭でのTVのチャンネル争い、学校での教師の良い加減さ、病院で寝付かれない患者たちの騒動、飲食店で酔っ払いの後始末を巡る店員同士の擦り合い、白石周辺の巨大な地図の上を彷徨う白石生まれで白石育ちで他の土地を全く知らない女高生の周りを囲んだ大勢の人たちがミニカーを激しく走り回らせ様々な小物を飛び交わさせて表現した騒然とした街の雰囲気。
記憶に残ったシーンはそれくらいだが、そのシーンとシーンとの合間にもいろんなコント風アクション、例えば酔っ払いたちの雑談、歌舞伎風の決めシーンなどなどだが散乱としていて記憶が薄いのが残念だ。
全体にスピードとオーバーアクションと絶叫調で吃音風の台詞、そしてリアリティの無い表現だが、何故か魅力的であり、つい引き込まれる。白石と言いながら、それは白石に限定されたことではない。白石に代表され象徴されるすべての土地で起こったシーン、現在起きている場面、これからも遭遇するであろう物語の断片集なのであろうか。
真昼の明るい学校の教室のような空間である若者活動センターの活動室で演じられたので、一応暗幕の設備はしてあるのだが、何か白昼夢のような現実離れのした一刻であった。
出演/朱希・石鉢もも子・工藤瑞生・井上嵩之・おかしゅんすけ・鎌塚慎平・
熊谷嶺・後藤カツキ・谷村卓朗・前田透