WORLD is MINE

観劇日時/15.7.18. 14:00~15:20
劇団名/y h s
公演回数/33rd PLAY

脚本・演出/南参 舞台監督/高橋詳幸 照明/上村範康 
音響/橋本一生・倉内衿香 作曲/RZ×Shoji(ロミオマシーン)
衣装協力/佐々木青 広報宣伝/のと☆えれき 制作/水戸ともえ

劇場名/コンカリーニョ

痛快な寓話喜劇

小学1年生の男児・ハルト(=佐久間泉真)と女児・カノン(=最上朋香)の、それぞれの弟(=氏次啓)と妹(=曽我夕子)を巡る闘い、「あっち・向いて・ほい」の激闘が幼く真剣にスローモーションを含めて描かれる。ハルトの仲良し・サラ(=田中温子)を初め友達(=櫻井保一・山田祐太)との様々な関係、そして6年生(=青木玖璃子・佐藤真一)や先輩の中学生(=城島イケル)も巻き込んでの大騒動が展開される。
リアルなガキというよりも誇張したガキを演じるのだが、それが逆にある一つの世界を創っているようで意外に面白い。喜劇で表現した寓話みたいだ。
だが、延々と繰り返されるとやっぱりやや退屈する。繰り返しが多くて世界が広がらないからだと思う。もっと何か意外な葛藤が広がったら面白かったのにとも思う。
この作品の原点は今年の3月に短編集の中の一つとして上演されている1編なのだが、その短編を膨らまして今回の舞台になったのだろう。3月のときにはそれほど面白いとは思わなかった。他に良い作品が多かったからかもしれないのだけども。
さて僕はこれに何を見れば良いんだろう? 大の大人が嬉々揚々として自分の世界(ワールドインマイン)を主張する愚かさか、あるいはその大事さなのか? 世界はそういう関係の連鎖で成り立っているという例話・寓話なのだろうか?
もう一つ印象に残ったのは「考えるな、感じろ!」のフレーズだ。このフレーズは+-の効用がある。この舞台の中で重要なキーワードなのだが、使い方を間違うか意識的に誤用させると破滅的な結果が生まれる。もしかしてこの舞台は、そこまで警告していたのだろうか? 若さのエネルギー爆発は好印象だった。魅力的な出演者のオンパレードなのだ。
その他の出演/宮本暁世・佐藤杜花・紀戸ルイ