爛れ、至る。

観劇日時/15.5.22. 14:30~16:30
劇団名/elePHANTMoon

脚本・演出/マキタカズオミ 舞台監督/西山みのり
舞台美術/袴田長武 照明/若林恒美 音響/宮崎淳子
演出助手/阿部ゆきのぶ チラシイラスト/駕籠真太郎
制作/会沢ナオト 芸術監督/平田オリザ
技術協力/鈴木健介 制作協力/木元太郎

主催/アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
企画制作/elePHANTMoon・アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
劇場名/こまばアゴラ劇場

悪夢の快楽、快楽の悪夢の極致

4人のマゾヒストたち(=タカムラ/永山智啓・シタラ/山田百次・アダチ/関村俊介・クラタ/江原大介)と、同じ4人のSMクラブ女王たち(真里瑠/中村真沙海・雛乃/久保山智夏・一花/林奏絵・楓/山口オン)の4組8人のSMプレイが2時間にわたって延々とリアルに演じられる。
奴隷になること忠実な犬になることに快感を得、それを多額の金銭で買って身を委ねる異常な男たちの感覚の実状が赤裸々に描かれる。
4人の男たちはそれぞれ社会的には常識のある一般人である。タカムラは快楽の果てに死を願望するが、さすがに医療メーカーの営業マンであるシタラに止められる。
だがタカムラは真里瑠に刺殺されることを強烈に願望し勢いに乗った真里瑠はついにタカムラを刺殺する。
弁護士の柊宗佑(=石橋征太郎)は、その真里瑠の弁護を引き受けるが彼の妻・春那(=長野海)も異常心理の女性だった。混乱する柊。この夫婦のシーンが、際どいSMシーンの連続の中に挟み込まれて展開する。
そして遂に回想のタカムラ最後のシーンと同時に、柊夫妻の夕餉の団欒シーンが被さってフエイドアウトになる。
クラブの女王たちは営業だから時間が来ると支払いを受けて客のマゾヒストとの関係は逆転するのだった。何か精神異常の世界をじっくりと観た気がする。
ほかにクラブの店長で緊縛師の奈由美(=菊地奈緒)が出演する。