ローゼングランツとギルデンスターンは死んだ

観劇日時/15.5.21. 14:00~15:30
企画・製作/「ロズギル」上演委員会

作/トムストッパー 翻訳/平川大作 演出/鵜山仁
美術・舞台監督/乗峯雅寛 照明/中山奈美 音響/秦大介
衣装/伊藤早苗 映像/池田暁 人形デザイン/高橋ちひろ
演出助手/的早孝起 宣伝写真・宣伝美術/垣内敏秀
制作/橋本香苗・生方忍 制作協力/こばちえ・奥井美樹・飯野千恵子

劇場名/東京下北沢 OFF・OFFシアター
出演/浅野雅博・石橋徹郎

『ハムレット』に登場するロズとギルとが舞台の人物と絡む幻想

シエークスピアの『ハムレット』に学友として登場するロズとギル。主役たちが表舞台で活躍しているその裏で、すでに書かれている運命も知らず、ただ大きな流れに翻弄され退場することも許されずに行き暮れる二人。
そして待ち伏せる唯一の退場「死」に気づいた時二人は……という設定で展開される脇役二人の架空の物語。
この物語が特異であり、表面に出ないし自覚出来ない人生が、観客には一種滑稽に見え、それが観客自身の人生を省みることにも繋がる契機にもなる重い思いにもなる。
賭にひたすら浸るバカバカしい日常に、フト、ハムレットの登場人物たちの映像が、背景に幻影として現れ実在の二人がそれと絡むのだが、現実と幻影とが何とも嘘っぽくてうまく絡み合わない。映像の声も誰が言っているのか複数の人物が喋っているのかこれも嘘っぽい。わざと嘘っぽく表現しているのだろうか。
旅芸人の一座が、一人の黒子の人形遣いとその人形使いが操る5・6体の人形とで二人に絡む。こちらは人形という具体的な人物を象徴する者が居ることによってとても面白いシーンが出来た。
OFF・OFFシアターは、とても狭くタッパも低いゴチャゴチャした舞台は現実感が強すぎてこの幻想には向かない。もっと広く懐の大きな舞台で観たいが、そうすると経済的な問題が大きいのだろうか。