GOTCHA!(ガッチャ!)

観劇日時/15.5.5. 18:00~21:30
劇団名/さっぽろハムプロジェクト

脚本・構成・演出・舞台美術・音楽/すがの公
照明/岩ヲ脩一 宣伝美術/天野ジロ
制作スタッフ/井嶋マキ子・佐々木陽子・米沢春花
助っ人スタッフ/徳山まり奈
主催・制作/札幌ハムプロジェクト

劇場名/琴似 コンカリーニョ
出演者/スペシャルゲスト/小橋亜樹・長流3平
札幌本部/天野ジロ・彦素由幸・フルサキエミ ・
高橋雲・渡辺友加里・ すがの公・漆澤朋美
東京支部/傍嶋史紀・セガワケイ・中江聡・竹屋光浩・岡部宇洋
助っ人友情出演/籠谷翔太・勝見慧・宮崎里沙・安井優希・山本眞綾

侵略者宇宙人との攻防

物語の展開が、ハムプロの各作品と同じように相変わらず判然としない。こういう表現が若さなのかと僕は諦める。なので僕が理解した範囲で梗概を述べると次のようになる。

          ☆

養豚業に行き詰まった両親の苦労を知った女の子が福祉関係の高校生になった。そこで自分の母親が宇宙人と結婚させられて、自分は宇宙人とのハーフだと知る。そしてそのことで差別と苛めの高校生活が続く。
漫画家を目指した母親が出版した唯一のマンガを読もうとするのだが邪魔が入ってなかなか読めない。そのころ世界は豚肉を食べることがタブーとなっている。それは宇宙人の先祖はブタだからという理由で、この少女の父親が養豚業だという設定がこの物語の基本になっているのだが、それはイスラム教徒を根拠なく揶揄することになりかねないのではないのか?
ガッチャという宇宙世界の防衛を担当するロボットが世界を支配しているのだが、この女子高校生を含めた高校生たちは、その強大な力を持つガッチャを生け捕りにして解体した上で、逆にこの世界を守るロボットに再生させる。
以上が僕の感じた大枠だが、これと併行して2・3回出てくる、廃業せざるを得なかったけど今も豚を愛して飼育している元・養豚業の男(=すがの公)と、その妹(=小橋亜樹)で漫画家を目指す新宿のホステスの兄妹が、悲哀を打ち明け合うシーンが強い印象に残っている。この男が女子高生の父親なのかは分からない。こういう部分にはっきりと相関図を描き切っていないところに焦慮感が残ってしまう。わざと綿密に描かなかったのか、その意図は分からない。
この大枠が同時進行で展開する中で、力の籠ったギャグが頻発する。具体例は忘れたけれども僕も次々と大笑いしたのは事実だ。
真っ当で善意で敬虔なイスラム教徒がこれを観たらどう思うのかとちょっとその部分が気になった。
宣伝用フライヤーに書かれている梗概とはかなり違う印象があるのだが、僕の受け取り方が自分勝手なのだろうか?

宣伝フライヤーには以下のように書かれているのだが…… 

『2月13日金曜エリア51、TVに映った米国初の女性大統領と異星人との5分間の会見は世界を揺るがした――。「もしもファーストコンタクトが起こったとしたら?」崩れる常識! 壊れる世界! SFパラレルワールドに巻き起こる笑いと感動! 悲喜劇とコントで彩る札幌ハムプロジェクト泣笑ライブ『GOTCHA!【ガッチャ】』に遭遇されたし!』