恋する右脳の冒険

観劇日時/15.2.22. 19:00~20:40
劇団名/劇団 しろちゃん

脚本・演出/青栁卓実 助演出/新田絵梨 
舞台監督/濱田那津子
舞台/小田修輔・植木健介・梅津遥華・加藤俊
・金子唯・工藤綾乃・柴田季子
鈴木ちひろ・出口伸彦・米田悠果・山本茜
小道具/山口卓也・尾崎悠・勝見慧
杉山明日香・須澤浩輝・武岡菜々・豊嶋綾香
中村佳世・山内ともみ
衣装/鴨志田亮・石川桃子・笠井成美
黒田直希・小松愛・斉藤祐生・佐々木由香
藤村和史・山本和花奈
音響/倉内襟香  照明/菅谷元  映像/川幡香奈・泉香奈子
制作部/赤間勝太・中本健資・飛騨彩菜・氷見江莉香・平澤くるみ

劇場名/BLOCH

悲劇に至る笑劇

 確か15景のシーンがSFの様相を感じさせながら、次々とスピーディに変化して何かが描写されるのだが、正直言って目まぐるしくて何を語っているのか分からない。だが何か変な魅力があって目が離せないのだ。一体何が語られているのだろうと必死に観ていると、おそらく二組の恋物語だ。
 それはそうだろう、タイトルが『恋する右脳の冒険』だから……でもそう理解できるまでに随分と時間が掛かった。意味不明で、あっちこっち飛び跳ねるエンターテインメント・シーンが面白いのだ。例えば突然に『君の行く道は』だとか『僕らはみんな生きている』とかの僕も良く知っている歌をナンセンスっぽくコメディっぽく歌い踊る。この辺は僕にも分かる。しかもこれらのシーンは、とても洒落ていて濃い雰囲気が感じられるのだ。
 だけど最近のマンガやゲームなどから取り出されたらしいナンスンス・ギャグは全く分からない、でも若い人が圧倒的に多い観客からは爆笑哄笑で、僕は何かを想像してニヤリとするが悪い気はしない。舞台の雰囲気が厚いのだ。装置も小道具も、もちろん演技もしっかりと重厚に創られているのに軽いのだ。全体がその調子で展開されて魅了する。
 二組の恋は破綻の終焉を迎える。悲劇のラストだが人間同士の恋の破局というよりも、何か恋してはいけない禁断の恋のような感じだ。ひょっとして他民族との不調和を言っているのかなと深読みしそうになる。それにはちょっと読み難いが、もしかしてそんな意図もあったのかもしれない。とにかく刺激的だった。
          ☆
 同じように大学生が創った舞台なのに昨日の拓大と比べると、その違いにびっくりする。拓大は入場料千円で約1,400人の観客、約百四十万円の収入、今日の北大公認の劇団「しろちゃん」は700円で約100人×5ステージ=約35万円、かなりの大入りだったようだからもう少し多いかも知れない。しかも拓大には様々な助成金があるが「しろちゃん」はどうだろうか? この差は一体何だろうか?