Alice  in another!

観劇日時/14.12.20. 14:00~16:08
劇団名/プラズマニア
脚本・演出/谷口健太郎 照明/相馬寛之 音響/橋本一生 
舞台監督/上田知 舞台美術/川崎舞 映像/上田龍成

劇場名/コンカリーニョ

アリスの大枠を借りた人間関係のエンターテインメント

 大勢のきらびやかな群舞の中で一人の男・上條想甫(=村上義典)が気を失って倒れている。群舞の連中が叩き起こすと彼は何処に居るのか何故ここに居るのか分からない。
 一方、探偵社には最近、次々と行方不明者の捜索依頼が殺到している。最初の男・上條想甫の弟・マモル(=遠藤洋平)はだいぶ以前から行方不明だし、洋平の幼馴染みで従妹・チヒロ(=びす子)も同じころ居なくなった。
 想甫が連れて行かれたのは御殿で、そこには女王となった母親(=庄本緑子)が居た。つまりここは何かを探していた人が迷宮入りになっていた場所だったのだ。しかも母は、悪い意志の権化であるサキサカ(=チヤゲンタ)により悪の手先の万能の王女になっていたのだ。
 想甫と姉(=藤谷真由美)と弟そして母。母の妹の子であるチヒロたちの、意志不通の、良かれと思いながらも逆の行動に出た結果の行き違いが、それぞれ孤立した結果が、アリスが迷い込んだ「不思議な国」だったというわけなのだ。だから当然ナビゲーターとしての兎・ウサミ(=吉田美穂)も出没する。
 探偵社の面々(=社長=谷口健太郎・部下=深浦佑太・下山美里・その他)が原因追究のために悪の権化サキサカの一統と大車輪の大活躍をする。
 アリスの物語の大枠を借りて、人間関係の行き違いの葛藤を童話的に展開するのだが、全編は大音量の音楽と迫力のある多人数のダンス・シーンで表現する。
 そして物語はもっと大勢の出演者が出入りして複雑で入り組んだ構成になっていてミステリーっぽくもある。
 良く言えば客席を巻き込むエンターテインメントの人情劇と言えるが、僕にとっては単純な家族愛の物語をこれでもか! と押しつけてくる圧力のような感じもする。若い人たちには歓迎される2時間なのかも知れない。でもちょっと疲れた……