サンタめん 観劇日時/14.12.13. 13:00~14:00 劇団名/札幌ハムプロジェクト 作・演出/すがの公 劇場名/札幌・シアターZOO
大人に成る少年の冒険心
昭和の佇まいをドぎつく設えた見せ物小屋で「奇なり怪なり」と大袈裟に泥臭く安っぽく飾りたてた舞台。ここを経営しているのは父(=高橋雲)、母(=天野ジロ)、そして息子(=傍嶋史紀)。そこへ高校生になったばかりの少年(=彦素由幸)が興味をもって近づいて来る。 息子と約束して少年・太郎はこの一行に合流することになるが、一夜明けると、父親は世間一般の常識を持ちだして牽制する。太郎は何とか一緒に行きたい。大人になる少年の心を訴える物語。 全員が絶叫の台詞でリアリティを欠くのだが、これはそれを承知で、というかむしろ意図して演出していると思われる。だが僕は逆に鬱陶しく感じられてストンと落ちない。舞台装置の造りにもわざとあざとく創ったような、これでもかという作意が感じられ、同じことがいえるのだ。 これがハムプロの色であり匂いでもあるのかもしれないのだが……それとも僕の感覚が鈍ってしまったのだろうか?