蝶のような私の郷愁

観劇日時/14.12.6.  19:00~20:10
劇団名/B-Stage

公演回数/旗揚げ公演
作/松田正隆 演出/森一生
制作・その他/田中伶奈・國廣真実・野田頭希・西出萌美・
五十嵐輝信・兼子里美

劇場名/ラグリグラ劇場
出演/がくと・金美沙子

停電が二人を、イヤあらゆる人たちの未来を象徴しているのだろうか?

 若い夫婦、天然の妻、苛立ちながらも許容して仲良くしようと努力する夫。妻の姉と関係のあったらしい夫、それが夫の弱味らしい。
 妻は近所のマンションの下見に行くことを提案する。最初、夫はそんな大きなマンションを買う気はなくヌラリクラリと逃げる。
 停電になる。ローソクを探すがない。やっと見つけて薄暗い中での淡々と会話が続く。過去の経緯……薄暗い部屋で二人の縺れた過去が回顧される。暗く未来の見えない二人の会話……
 広報車の警報を聞いて洪水の様子を見にゆく夫。帰って来て街は全滅すると言う夫、残ったマンションには僕たち二人だけだと宣言する。ほとんど動きのない会話劇。演技は上手いけど何のことだか分からない。なぜこの戯曲を選んだのか? 
 一見、平和な二人だが、停電に象徴される暗澹と感じられる未来……やがて洪水で水没しかねないのに何の手も打たない。さすがにリアリティのある演技だが、二人の存在が何を象徴するかが感覚として見えない舞台であった。理屈で想像するだけの、戯曲に頼り切った舞台だった。