愛と宗教

観劇日時/14.11.22.  15:00~16:30
劇団名/劇団 アトリエ

公演回数/第15回公演
脚本・演出/小佐部明弘
舞台監督/上田知 舞台デザイン/川﨑舞 
照明/相馬寛之 音響/小佐部明広 
衣装/加藤千尋 小道具/劇団アトリエ 
宣伝美術/小佐部明広 フライヤー写真/小林翔平 
フライヤーイラスト/丹野早紀 制作/加納絵里香・丹野早紀

劇場名/BLOCH
出演者/有田哲・伊達昌俊・小山佳祐・山木眞綾

「愛」と「宗教」の現世的な存在の一端を象徴的に描く

 「愛」も「宗教」も極めて抽象的な概念であると同時に、とても身近かで具体的な存在でもある。それをタイトルにして一体どんな物語が展開するのか?
 具体的な物語というよりは、男女や友人などの人間関係の中に生じるいくつかの「愛」のパターンを形式的・象徴的に表現したような断片を次々に繰り広げる。
 だから、それらは「愛」の一片であったり、それが発展・変形して「宗教」の断片であったりするわけで、「愛」と「宗教」の本質に迫るものではない。「愛」や「宗教」の表面、その本質の一端を象徴的に描いたアラベスクと言うかコラージュと言うのか。
 12本の柱で組み立てた立方体の一面を透明の幕で覆った人間が入られる大きさの様々な大小の箱が4個、これを4人の出演者が次々と舞台中を転がして、ある時は彼らの住居であり個室であり、さらにある時には都会のビル街にまで変身する。人間の造る世
界を象徴して見事であり、この舞台の大きな収穫であった。
 4人の出演者は一貫して叫ぶような演技が逆にいつもの「劇団アトリエ」の舞台より重厚で訴求力があり、特に山木眞綾の切れ味の鋭い存在は印象的であり「愛」と「宗教」の現世的な存在を感じさせた。