アイランド –監獄島–

観劇日時/14.11.5. 19:00~20:50
劇団名/韓国 プロジェクト・アイランド
 
公演形態/シアターZOO企画公演・札幌劇場祭参加作品
作/アソル・フガード 演出/ソ・ジヘ 舞台監督/キム・ビョンス
音響/キム・ヨンジン 照明デザイン/キム・ソンテ 
制作・字幕オペレーター/キム・ジョンア 舞台スタッフ/イ・ウンス
出演/ジョン役→ チェ・ムイン ウィストン役→ ナム・ドンジン

劇場名/シアターZOO

エネルギッシュな闘争劇

 政治的な思想犯で孤島の監獄に収容された二人の男の、監獄内での葛藤の展開。
 収容所のコンサートで、『アンティゴネ』の演劇を上演しようとしたのは演劇人である思想犯のジョンだ。だが、たった二人でやろうとして混乱の挙句に暴力的に衝突しながらも稽古を続ける二人。特異な環境の中での特異な関係が延々と続く。
 『アンティゴネ』の悲劇の主人公は、法を犯した彼女だけど、彼女にとっては肉親としての当然の行為だったのだ。
 「法」を決めたのは誰か? 「法」は絶対か? 「法」の上に神は在るのか? と論争する二人。アンティゴネと演じる彼の立場とのWイメージともとれる物語。
 主導者であるジョンの減刑が決まり二人で大喜びするシーンで終わりかな? と思ったら、二人で演じられる『アンティゴネ』の物語が劇中劇として上演される。ウィストンの女役もあって、これが実に面白い。
 韓国語が分からないから凄いエネルギッシュな台詞にリアリテイがあるのか、もしかして様式的な表現なのかは良くは分からない。いままで観た韓国の舞台ってエネルギッシュだが、様式的なイメージが強いのだ。言葉が分からないと言う引け目があるのかもしれないけれども……
 もう一つ感じるのは生理的現象の具体的な表現が強いと言うことだ。例えば放尿、放屁、あからさまなセックス、ハグ、暴力などなど。でもこれらは人間の生きている基本をストレートに表現していて逆に爽やかな印象なのだ。