カモメに飛ぶことを教えた猫

観劇日時/14.11.2. 11:00~12:30
劇団名/座・れら

上演回数/第11回公演 
札幌市民劇場第1344回公演 札幌劇場祭2014参加
原作/ルイス・セペルベダ 訳/河野万里子 脚本・演出/鈴木喜三夫
人形美術/泉山桂子 舞台装置/高田久男 
照明/鈴木静悟 音響/西野輝明
音響助手/沼本美和 音楽/YUKII 衣装/木村和美 
道具・舞監助手/木村則夫 演出助手/神しのぶ・山下瑚波 
人形製作補/木田橋くに子 手話通訳/舞夢サポーターズ 
ちらしデザイン/中島祥子 舞台監督/寺沢英幸 
制作/戸塚直人・青木通子・佐藤紫穂 
制作協力/池内由美子・遠藤緑・河合美智子・土門千恵子・竹内麻希子

劇場名/やまびこ座

言葉が持つ理解し合う力

 港の重油工場が暴発して、海面に流れ出た油で飛べなくなった母かもめに気付いた猫……母かもめは瀕死の状況の中、最後の力で卵を産み、見守ってくれた猫に「この卵を食べないこと」「孵化した雛を育てること」「大きくなったら飛び方を教える事」の三つを頼んで絶命する。
 猫たちの集団、鳥たち、ネズミ、人間などの異なる集団対集団の生活の違いや軋轢・他集団との交渉方法などが描かれる。
 最後にタブーを侵して、猫集団と人間社会とが直接に交渉する窓口を、人間の詩人に依頼する。彼の詩の言葉が、子かもめに明るい将来の期待をもたらす。つまり異なる集団対集団の理解し合いは、言葉の持つ力だという事だろうか。
 死に際の母かもめの依頼が、頼みと言うよりは命令のようで、ちょっと抵抗があるのと、全体に少し無理したようなギャグが多発するのも気になる。
 重油工場の故障が公害であると言うことを、もっと象徴的に重く描かれると感動の影響も強かったと思うが、あっさりとした描写が少々残念だった。

出演者/櫻井健作・信山E紘希・竹江維子・フクダトモコ・Amy・佐藤健司・
      今野史尚・小沼なつき・楓佳・早弓結菜・村田譲・他人形劇人多数