映画  茜色クラリネット

鑑賞日時/14.10.19 
①14:00~15:20 ②16:30~17:50 ③19:00~20:20 3回上映

監督/坂本優乃 初監督作品
製作/コトニ夢映画製作プロジェクト
スタッフ・キャストは中高生に札幌在住のプロが参加応援

会場名/雑貨カフェ キルテングビー

 

 今度観て改めて感じたのは、地域のアイドルとしてのユルキャラ「トニ子」の存在の強烈さだ。子供にとってのアイドルでありながら、逆に自分たちを惑わす妖性でもある。この視点がユニークで印象的なのを再確認したことだった。
 屯田兵の時代、子供も働かねばならず、子供らしいことは何も出来なかった、その怨念がトニ子だ。茜の父親は映画少年だったが大人の事情で諦めた。茜はクラリネットが好きだが、プロになる自信もない。
 子どもの純粋な思いを食べて生きるトニ子は、子供の敵であると同時に子供の思いの象徴でもある。余談だが、その天敵のトニ子の中でトニ子を操る俳優の名前が公表されていないことが残念だ。
 特にラスト近く、茜のクラリネットをバリバリと食うクライマックス・シーンが「大人病」を強く現わす象徴的な場面だということも確認した。
 茜の思いと両親・稲垣先生たちの若い頃の思いがWイメージとなって、切ないことも大人になったことなのだろうか。