少女ミレと一緒の店で働いていたウンジが殺される事件が起こった。現場を目撃したミレは恐怖のために失踪する。2年後悪夢に苦しみ警察に出頭する。二人の間に何が起きたかを追憶・回想として、人間と社会の関係に迫る物語である、と要約するとフライヤーにはそのように書いてある。
舞台は登場人物の独白が多く、字幕の操作が悪いのかビッチリと書かれた文字がアッと言う間に消えたり、何か別の文字が出たり、対話の台詞はどちらが言っているのか分からなかったり、物語の展開を理解するにはとても難解だった。
それに加えて独白が多く、二人の葛藤描写は時間の経過が時系列に沿っていないように交差し、しかもどっちがミレなのかウンジなのかが分からず、さらに二人が輻輳するからもっと分かりにくい。もちろん言葉の問題が最大の要因だとは思うのだけど……
何度も言うように独白が多いのと、説明的な台詞が多く、対話の時も台詞を言う役者が正面を切るなど様式的な表現が多く、全体を通してちょっと理屈っぽく馴染み難い感じが強い。だが熱意は伝わるから文字幕の扱いにもっと繊細に注意してくれたら印象も随分と違っていただろうと残念な結果だった。
出演者/ムン・ジニ キム・ウンミ フアン・ミニョン
チェ・ヒヨン チャン・ヨンウン キム・ギョンピル
キム・ギョンオ キム・ボムス
誰がどの役かは分からないので、フライヤーのCAST表を写します。
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最近バリアフリーを目指す演劇が、聴覚不自由者用に、背景にマンガの吹き出しのように台詞を役柄別に色分けして写しだす方法を紹介していた。視覚不自由者用にもさまざまな工夫をしている劇団があると言うことだが、外国劇団の国内公演字幕用にも何とかうまく利用できないだろうか。 |