ないない9

観劇日時/14,10.11. 19:00~20:20
劇団名/旧 3ペェ団札幌

公演回数/第9回
作・演出/長流3平 
照明操作/しちゅうやまもと 音響操作/駕谷翔太
衣装・メイク/大坂友里絵 舞台/忠海勇 音楽/ラバ 
宣伝美術/温水沙知
制作/3ペェ団札幌

劇場名/札幌 琴似  レッドベリースタジオ

ナンセンスなドタバタ笑劇

 着想は面白い。幼少時に苛められた経験を持つ科学者(=忠海勇)が、脳波をコントロールして場の雰囲気を変える魔法の杖を研究し、零細企業(社長=MARU)の研究開発に採用された。一攫千金を夢見た金満家(=棚田満)が出資するが人体実験をしなければならない。
 そのコンセプトが「人間が消える」というアッピールだったので社員全員がビビる。このシーンは説明不足だ。この説明不足が以後の混乱のきっかけになるのだが、この導入部の行き違いの成り行きが以後の展開にうまくフイットしないので、ずっと違和感が残る。
 異常な高額の報酬でモニター体験のアルバイトを募集するのだが、その異常な体験がまた混乱を引き起こす。
 これらの混乱を描くのだが、導入部の説明不足が最後まで尾を引いてかなり白ける。演技者もそこを何とか引き込もうと熱演するのだが逆に引いてしまう。もっと静かに思いと現実のギャップの情けなさを表現した方が、じっくりとした哀愁と面白さが出来たのではないのかと思った。ちょっと心残りな舞台だった。

 その他の出演/秘書=長谷川碧 応募者=原田充子・長流3平・柳瀬泰二・小林健輔・梅津学・高井ヒロシ