神龍(シエンロン)にあいたい

観劇日時/14.10.11. 14:00~15:30
劇団名/SCHOOL イナダ組

公演回数/第2回
作・演出/イナダ 照明/樋口優里 音響/渥美光・吉田諒希
衣装/村山里美・千葉幸恵 宣伝美術・小道具/佐々木志乃
制作/村山里美・小柳由美子・新浜円・駒野華代・稲村みゆき・奥村康

劇場名/BLOCH

人生はやり直せないことを再確認するおとぎ話

 祖母・両親・結婚を控えたアラサーの娘を頭に妹・弟の6人家族。父親は堅実・平凡な信金の職員だが円満家庭はズケズケと言いたいことを言い合って、それなりに和やかな雰囲気だ。
 父親が20年間買い続けた宝くじが百万円に当たった。その使い道を巡って家族会議が開かれる。と、いっても在り来たりの欲に絡んだ闘争劇じゃない。「夢がない」だの「ロマンチック過ぎる」だのの意見が繰り返される内に、母と姉が昔に戻ってみたい、あの時、別な道があったのではないか、というとんでもない夢を語る。
 この辺りのギャグはマンガやゲームの引用らしいので僕にはさっぱり分からないが、神龍というのはタイムトラベルの使い手らしい。そのシエンロンが現れて2人を娘時代に連れて行き別れ道でどうするか迷わせる。
 人生はやり直しが出来ないという、ごく当たり前のことを再認識させるような話を、面白可笑しくエネルギッシュにスピーデイに展開させた。
 美男美女が一人も出てこないところにリアリティがあって納得出来たのだ。どこにでも居そうな人たちの身近な話なのに、有りそうなおとぎ話の出没に魅入らされた。

出演者/小川祥枝・河口真子・平井雄己・笹木志乃・天沼開・後藤和樹・小倉佑介・千葉幸恵・政所未帆・町田誠也・原かおる・渋谷有美子・平みつよ・河合秀晃・西田直史・瑠璃・小島波瑠香