演 目
ジャンキー・モンキー・ベイビー
観劇日時/13.11.2. 14:30〜16:15
劇団名/イナダ組
作・演出/イナダ 照明/高橋正和 音響/奥山奈々
舞台デザイン/野村たけし 舞台制作/FUKUDA舞台
衣装/村山里見 ヘアメイク/KEME 
小道具/中村ひさえ・佐々木志乃 宣伝美術/野村たけし
制作/小柳由美子・村山里見・新浜円・駒野華代・稲村みゆき・田中絵梨・奥島康
劇場名/コンカリーニョ

「ジャンキー」→「モンキー」→「ベイビー」 語句の展開にある意味が?

 売春と麻薬のパック処理と闇の販売をやっている裏稼業の集団が住む、うらぶれた雑然とした古倉庫の内部。
 上の組織に牛耳られているらしい下っ端たちを纏めるツーナカ(=谷口健太郎)は、偶に見回りと稼ぎを集金に来るサカキ(=Ever ZOne HIROKI)に頭の上がらない小心者だ。
 ここに住む人たちは全員が何らかの原因で借金があり身内から見捨てられた少年・少女たちと、そのなれの果てたちだ。
 不条理な環境の中で、互いに小さないざこざを繰り返しながら暴力と借金の狭間で苦しみながらも生きていかなければならない。最低辺の人間たちだ。
 そこへ内部抗争のあおりらしい大物らしい怪我人・渋沢(=武田晋)が担ぎ込まれて集団の秩序が乱れる。
 最後はこの行き場のない人たちが全滅して終わる救いのない現実の一端は、もしかして現実の象徴であるのかもしれない怖い舞台である。
 「フアンキーモンキーベービーズ」という音楽グループがある、というか最近解散したので、そういうグループがあった。タイトルはそこからの、もじりなのだろうか? とすれば何を比喩しているのだろうか?
ジャンキーは麻薬患者だろうが、モンキーは動物、そしてベイビーは未だ人間から少し遠い存在と言えるかもしれないが、逆に少しずつ人間に近づいて行く存在ということなのであろうか? このタイトルの展開に微かな光明を感じる……
 出演。武田晋 山村素絵 谷口健太郎 吉田諒希 Ever ZOne HIROKI 井口浩幸
    阿部星来 大西琴美 小倉佑介 平井雄己 天沼開 河口真子
北海道新聞連載小説、大沢在昌『雨の狩人』は、裏社会の知られない壮絶過酷な真実を描いたハードボイルドだ。そして『ジャンキー・モンキー・ベィビー』は、その裏社会をリアルに描写している……