演　目 最後の伝令 観劇日時/13.10.27.　17:00〜18:10 劇団名/劇団 回帰線 上演形態/シアターＺＯＯ企画　じゃぱどら公演 原案/榎本健一　脚色/菊谷栄　演出/西脇秀之 照明/相馬寛之　美術/中田有子　衣装/佐々木青　チラシデザイン/小島達子 劇場名/シアターＺＯＯ

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我が身の稚拙さと愚かさを笑う 　榎本健一は清野�^一というペンネームで、菊谷栄は佐藤文雄という、これもペンネームだが、これは発表当時の1931年（昭和６年）菊谷栄は左翼的傾向を疑われていたので友人の名を借りたと言うことだ。それに『悲?血?戰爭哀話大悲劇・最後の傳令』というタイトルの旧漢字と言い熟語と言いすべてに大時代を感じさせる。しかし中身は大時代どころか全くの現代的な表現だ。 　話は、アメリカ南北戦争のとき、若い兵士と帰りを待つ恋人との悲劇物語だ。ところがこの芝居、そんな本編の物語は何処へいったのか、全編すべて舞台裏での大騒動が展開するのだ。だから本編の舞台装置も舞台中央の１/３くらいだけで、上手は座長の楽屋で下手は作者兼舞台監督の控室になっている。 　出番はトチる、台詞は間違える、それを何とかかんとか埋め合わせようとして、ひっちゃかめっちゃかで滅茶苦茶でドタバタの一時間が終わる。 爆笑・哄笑とは中々ならないが苦笑・失笑・憫笑・嘲笑と「笑」の付く字を連続総動員して紹介したい笑劇だ。 　つまり、このバカバカしさは、実際にあるわけないじゃないと思いつつ、翻って自分たちの身近な現象として観客自身が自分たち自身の行動の反映として感じているのじゃないのかとも思われる。 　落語家、五代目・立川談志の「落語は業の肯定」という名言がまったく当て嵌まる、落語のような舞台であり、人間の弱さが自分自身の業と相互反射して笑いの後に哀愁を感じさせるのだ。 　出演。女優＝小林なるみ・受付嬢＝松岡春奈・舞台監督＝京極祐輔・ メリー＝西山佳奈・新人＝仁和享平・トム＝金戸一基・座長＝甲斐大輔 うどん屋＝齋藤純基　大道具＝公平舞