演 目
ミエナイ家族のハロー・マイ・ゴースト
観劇日時/13/10.5. 19:00〜20:50
劇団名/空飛ぶ猫☆魂 上演形態/#2
脚本・演出/西永貴文 音楽/岡崎保憲 照明/山本ゆか 制作/小畑幸英
劇場名/シアターZOO

昭和の大衆人情喜劇

 早くに病死した古い形の忍耐一筋母親と、わがままを通して家族の意志伝達も出来なくなって閉じ籠もりの長男・太陽(=辻修)、そして常識人だが余計な気遣をし過ぎる次男で主人公の弟・雪雄(=長谷真行)との3人で生活する家族。
 その父親(=石倉良信)の実家に母亡き10年後、事故で亡くなって幽霊になっている恋人(=久米田彩)の一人住まいに現れる光太(=佐々木光弘)と結婚したいという娘の申し出を受けて、分からなかった家族の愛情が堅く結ばれるというお約束の人情喜劇。
 その話自体は古い家族間の暖かい物語であり、幽霊の話を信じるのも懐かしい面白い物語なのだが、物語の進展に合わせて交わされる会話が、一向に噛み合わないのが、わざと噛み合わないように書かれているのが明白なので段々と白ける。
 わざとらしい台詞のやり取りは逆に意図的に書かれているのがはっきりと判るので素直に面白がれない。
 でも素朴な観客は、このような奇想天外な設定の展開も、芝居だからこその典型的な展開も受け入れるのだろうか? それが芝居の魔術なのだろうか。
 嘘を嘘と感じさせない役者たちの力は凄いと思う。鍛え抜かれた、それこそ役者の力技だろうか。だが途中でいきなり気が変わった恋敵の零(=西興一朗)の変化は余りにも突飛すぎてついていけない。嘘だろうって思わざるをえない展開だ。
その他、太陽の師匠・サイジョウ(=ゲスト・今回の出演は江田由紀浩)