演 目
ユー・キャント・ハリー・ラブ!
観劇日時/13.9.29 18:00〜19:45
劇団名/弦巻楽団
公演回数/#18
作・演出/弦巻啓太 照明/相馬寛之 音響/大江芳樹 舞台監督/上田知 
美術プラン/川崎舞 制作/大沼理子・弦巻楽団 演出部/吉原大貴・青塚幸・深津尚未
宣伝美術/藤原柚 肖像画制作/藤田ナツコ(背景の大きなシエイクスピァの肖像画。これを通して冬樹里絵が浮かび上がる)
劇場名/コンカリーニョ

権威主義者のあほらしさを笑う

 シエイクスピァ専攻の大学教授・奥坂雄三郎(=松本直人)は、中年のこの年になっても恋をしたことがなく今もって独身である。それは研究室の雑務をやっている助手・鹿島のり子(=山川瞳)も十分に心得ている。
 ところがある日フト耳にしたラジオの天気予報の声・冬樹里絵(=曽我夕子)の声を聞いて一目(一声)惚れをした。
 普段、シエイクスピァについて、決断力を賞賛し恋愛をみとめないという独自の理論で、人生を力強く生きていると自他共に認めている教授は、専攻の学生・堺鶴男(=上西佑樹)を巻き込んで大騒動となる。
 ときあたかも女性雑誌の編集者・沓掛あかね(=山田ともる)が取材にくるが、そのとき偶然に助手として、その冬樹里絵が同行して教授は混乱する。最後には好意を持ってくれていると思っていた冬樹里絵にこっぴどい裏切りを受けて立ち上がれない。前回に観たときは確かハッピィエンドの予感があったような気がするのだが……確かめてみたら確かにそう書いてあったが、今回の終わり方の方がずっと面白い。
 大学教授という絶対的権威の豹変を痛烈に揶揄するコメディだが、戯画化した表現が的を射て、笑っているうちに、この大学教授が象徴する様々な悪例が思い出されるて、もう一度、笑っちゃうのだ。